【6月13日 AFP】バングラデシュで12日夜、テレビ放送されていた2010年サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)、アルゼンチン対ナイジェリアの試合中に停電が発生し、試合を見ることができなくなったサッカーファンたちが暴動を起こす騒ぎとなった。

 首都ダッカ(Dhaka)では多数の車やバスが破壊されたほか、全国でも電力施設が破壊されるなどの事態となった。

 バングラデシュではW杯は非常に人気の高いイベントで、特にディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)監督率いるアルゼンチンの人気は群を抜いている。バングラデシュ国内では、青と白のアルゼンチン国旗がよく見かけられるほどだ。ちなみに、バングラデシュは予選で敗退している。

 ダッカ市内では少なくとも5か所の電力供給施設がサッカーファンによって破壊されたという。ダッカ配電会社(Dhaka Power Distribution CompanyDPDC)は、「彼らはオフィスへの侵入、投石、職員への暴行などを行った。彼らが求める電力需要にはとても応えることはできない。全てのオフィスの警備強化を要請した」と語った。地方の電力施設の一部でも被害が出ているという。

 警察当局幹部は、電力施設の職員保護や施設警備にあたる警察官を増員したと発表。サッカーファンには現状では電力不足は避けられず、暴力は何の助けにもならないことを理解してほしいと訴えている。

 バングラデシュの1日の電力需要は6000メガワットであるのに対し、発電量は約4000メガワットに過ぎない。電力供給を制限しながら不足分をやりくりしている状況で、1時間おきに停電となっている。

 ダッカ配電会社はこれまで、W杯期間中の電力供給を最大化するため、エアコンの使用中止や商店の閉店時間の繰り上げなどを呼び掛けてきた。(c)AFP/Shafiq Alam