【5月19日 AFP】オーストラリア人登山家のダンカン・チェッセル(Duncan Chessell)氏が今週、世界最高峰エベレスト(Everest)の最大の謎に挑む。この謎とは、エベレスト初登頂が、現在考えられている時期よりも29年も早い1924年に成功していたのではないかというもの。

 チェッセル氏は、アンドリュー・アービン(Andrew Irvine)の遺体と彼が同行者のジョージ・マロリー(George Mallory)とともにエベレストに初登頂した証拠写真を見つけるには、この数十年で最も条件がそろっていると語った。

 マロリーとアービンは1924年、エベレスト登頂中に山頂付近で消息を絶ったが、登頂に成功したかどうかについては多くの謎が残されている。マロリーの遺体は1999年に発見されたが、彼が所持していたとされるカメラ機材はいまだ発見されていない。

 豪通信社AAPAustralian Associated Press)によると、チェッセル氏はベースキャンプからのメッセージで、「前週ノース・コル(North Col)にいた際、風速41メートルの強風が吹いており、何年分もの雪を吹き飛ばしていた」「アービンの遺体がある可能性が高い場所でも、何十年も雪に埋もれていた岩がむき出しになっている」とした上で、「その一帯を捜索しながら頂上に向かい、遺体やカメラを発見するつもりだ」と語った。

 エベレストの初登頂に成功したのは、1953年のニュージーランドのエドモンド・ヒラリー(Edmund Hillary)卿とシェルパのテンジン・ノルゲイ(Tenzing Norgay)氏だとされている。だが、マロリーとアービンが登頂に成功したとの説は今でも山岳愛好家を魅了している。

 チェッセル氏は、エベレストの謎を解くだけでなく、オーストリア人初となる3回目のエベレスト登頂を目指している。19日に登頂を開始し、23~24日に頂上に到達する予定となっている。(c)AFP