【4月18日 AFP】中国南部・広東(Guangdong)省の普寧(Puning)市当局が、「一人っ子政策」の違反者取り締まりの一環として、住民1万人近くに避妊手術を施す運動を始めた。国営英字紙・環球時報(Global Times)などが伝えた。

 市当局は、前週より20日間の日程で、「普寧市で一人っ子政策に最も違反している人々」9559人を対象に取り締まりを実施。報道によると、これまでに対象者夫婦の約半数が避妊手術に同意したという。

 また、15日付の南方日報(Nanfang Daily)の関連紙Nanfang Countryside Dailyの報道によると、普寧市当局はこれまでに、手術の拒否者ら1300人以上を拘束した。手術を拒否した人だけでなくその親族も拘束され、市当局施設で家族計画の規則についての指導を受けているという。

 普寧市の人口・家族局の職員は、16日付の国営英字紙・環球時報に、「家族計画当局が厳しい措置をとることは珍しいことではない」と語った。

 中国の一人っ子政策は、辺境の農家や少数民族などの一部の例外を除き、1組の夫婦が持つ子どもを1人までと定めている。

 3人の子どもを持つHuang Ruifengさんは、南方紙に対し、夫婦のどちらか一方が避妊手術を受けるよう地元当局に命じられたと語った。Huangさんが「忙しい」と拒否したところ、Huangさんの父親が当局に連れ去られたという。

 市当局は、子どもの登録に必要な書類を提供しないなどの「特別対策」を行って、避妊手術に同意するようはたらきかけていると説明している。生まれた子どもは、無登録のままだと、公共サービスや健康保険、無料の教育などを受けることができない。(c)AFP