【4月7日 AFP】「NBA」を使わずに伝えられるバスケットボールのニュース、「GDP」を使わずに報じられる経済ニュース――。中国のテレビ視聴者にとってこれが現実となる可能性がある。同国政府が国内のテレビ局に対し、英語の略語表記の使用を控えるよう通達したと7日の国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)が報じた。

 中国中央テレビ(China Central TelevisionCCTV)と北京テレビ局(Beijing Television)が同紙に対し、中国語の番組で一部の英語の略語表記を使用しないよう政府から求められたことを明らかにしたという。どれほど多くの略語表記が政府の通達に示されていたかは明らかになっていない。

 放送関係者は、NBA(米プロバスケットボール協会、National Basketball Association)、GDP(国内総生産、Gross Domestic Product)、CPI(消費者物価指数、Consumer Price Index)、WTO(世界貿易機関、World Trade Organization)などを中国語で表記しなければならなくなる。

 国家広播電影電視総局(広電総局、State Administration of Radio, Film and TelevisionSARFT)に取材の電話をかけたが応答はなかった。

 前月、全国人民代表大会(National People's Congress、全人代=国会)に政策の「助言」を行う機関とされる中国人民政治協商会議(Chinese People's Political Consultative ConferenceCPPCC)のある委員が英語による中国語の汚染を防ぐための厳しい手法を提案した。

 中国国際出版集団(China International Publishing Group)の編集長も務めるこの委員は、「中国語への英語の混入を止める手段を取らなければ、数年後には中国の純粋さが失われてしまうだろう」と主張していた。(c)AFP