女性初のヒマラヤ巨峰14座制覇、ライバル2人が4月に挑戦
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【3月19日 AFP】(一部訂正)世界の頂点たるヒマラヤ8000メートル峰14座の女性による初制覇を競う韓国とスペインの登山家2人が4月、難関アンナプルナ(Annapurna)に挑む。
ヒマラヤ巨峰14座の制覇は、男性ではイタリアの登山家ラインホルト・メスナー(Reinhold Messner)氏が1986年に達成したが、女性では史上まだ例がない。
韓国の呉銀善(Oh Eun-Sun)さん(43)と、スペインのエドゥルネ・パサバン(Edurne Pasaban)さん(36)は、どちらがこの金字塔を打ち立てるかを競うライバル同士だ。
■制覇へのレース、呉さんが一歩リード
未踏の記録により近い位置にいるのは呉さんで、すでに14座中13座は制している。4月の出発へ向けて到着したネパールの首都カトマンズ(Kathmandu)で、呉さんはAFPの取材に「これを達成できたら自分のためだけでなく、母国、そしてアジアのためにも、ものすごく誇らしい」と語った。
一方のライバル、パサバンさんはアナプルナと中国・チベット側から入るシシャパンマ(Shisha Pangma)の2座を残しており、モンスーン期前の天候状態が良い4月から5月の短い間に両方の制覇を目指している。パサバンさんはより難易度の高いアナプルナを後にまわし、先にシシャパンマに挑戦する予定だった。しかし中国当局がパサバンさんの3月中の現地入りを拒否したため、アナプルナから先に挑むことになった。
■2人とも過去に挑戦するも断念
パサバンさんは2007年に一度、山頂まで約1000メートルを残して悪天候に見舞われ下山、アナプルナ登頂を断念したことがある。呉さんも、アナプルナ登頂は失敗した過去がある。
やはりカトマンズ入りしているパサバンさんは「アナプルナは難しく、危険な山。14座の中で最も危険だという人もいるし、わたしの友人も何人も死んでいる。あそこへ行くことには少し恐怖もある」と語った。
2人とも約1か月間、カトマンズで高度に体を慣らしつつトレーニングを積みながら、4月初旬の出発に備える。特にパサバンさんは遠征の際、酸素ボンベを使用したことがない。
■女性登山家にのしかかる社会的重圧
女性の登山家としてパサバンさんは、男性登山家よりもあきらめてきたものが多いかもしれないと述べた。「30歳から40歳の間は、女性の登山家にとってベストの時期。けれど、女性は家族を作って過ごすべき時だという文化的プレッシャーを受ける時期でもある。2、3年前、わたしもいい加減、落ち着けといった家族のプレッシャーをものすごく受けて、とても落ち込んだ。けれど今は自分のゴールが何なのかはっきり理解している」
呉さんはベースキャンプまでチーム体制を組んで登り、ロープ類の用意などバックアップ態勢が充実している。このためパサバンさんは、女性初の14座制覇で呉さんに勝つことは難しいだろうと認めつつ、次のように語った。「どちらが勝つかっていう競争ばかりに注目されるけど、2人一緒に山頂に立てたら素晴らしいだろうなって思うわ」(c)AFP/Claire Cozens
【関連記事】スペイン人登山家、女性初の8000m峰トップ14座の登頂達成まであと2座
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ヒマラヤ巨峰14座の制覇は、男性ではイタリアの登山家ラインホルト・メスナー(Reinhold Messner)氏が1986年に達成したが、女性では史上まだ例がない。
韓国の呉銀善(Oh Eun-Sun)さん(43)と、スペインのエドゥルネ・パサバン(Edurne Pasaban)さん(36)は、どちらがこの金字塔を打ち立てるかを競うライバル同士だ。
■制覇へのレース、呉さんが一歩リード
未踏の記録により近い位置にいるのは呉さんで、すでに14座中13座は制している。4月の出発へ向けて到着したネパールの首都カトマンズ(Kathmandu)で、呉さんはAFPの取材に「これを達成できたら自分のためだけでなく、母国、そしてアジアのためにも、ものすごく誇らしい」と語った。
一方のライバル、パサバンさんはアナプルナと中国・チベット側から入るシシャパンマ(Shisha Pangma)の2座を残しており、モンスーン期前の天候状態が良い4月から5月の短い間に両方の制覇を目指している。パサバンさんはより難易度の高いアナプルナを後にまわし、先にシシャパンマに挑戦する予定だった。しかし中国当局がパサバンさんの3月中の現地入りを拒否したため、アナプルナから先に挑むことになった。
■2人とも過去に挑戦するも断念
パサバンさんは2007年に一度、山頂まで約1000メートルを残して悪天候に見舞われ下山、アナプルナ登頂を断念したことがある。呉さんも、アナプルナ登頂は失敗した過去がある。
やはりカトマンズ入りしているパサバンさんは「アナプルナは難しく、危険な山。14座の中で最も危険だという人もいるし、わたしの友人も何人も死んでいる。あそこへ行くことには少し恐怖もある」と語った。
2人とも約1か月間、カトマンズで高度に体を慣らしつつトレーニングを積みながら、4月初旬の出発に備える。特にパサバンさんは遠征の際、酸素ボンベを使用したことがない。
■女性登山家にのしかかる社会的重圧
女性の登山家としてパサバンさんは、男性登山家よりもあきらめてきたものが多いかもしれないと述べた。「30歳から40歳の間は、女性の登山家にとってベストの時期。けれど、女性は家族を作って過ごすべき時だという文化的プレッシャーを受ける時期でもある。2、3年前、わたしもいい加減、落ち着けといった家族のプレッシャーをものすごく受けて、とても落ち込んだ。けれど今は自分のゴールが何なのかはっきり理解している」
呉さんはベースキャンプまでチーム体制を組んで登り、ロープ類の用意などバックアップ態勢が充実している。このためパサバンさんは、女性初の14座制覇で呉さんに勝つことは難しいだろうと認めつつ、次のように語った。「どちらが勝つかっていう競争ばかりに注目されるけど、2人一緒に山頂に立てたら素晴らしいだろうなって思うわ」(c)AFP/Claire Cozens
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