【3月17日 AFP】第1次世界大戦の戦死者を埋葬した北フランスの集団墓地で見つかっていたオーストラリア兵の遺骨のうち、一部の身元がDNA鑑定により明らかになった。オーストラリアのケビン・ラッド(Kevin Rudd)首相が17日、国会で明らかにした。

 遺骨が発掘されたのは、1916年のフロメルの戦い(Battle of Fromelles)の舞台となった、フロメルにある集団墓地。ドイツ軍が戦死した兵士らの遺体を埋葬したもので、前年になって兵士250人、うちオーストラリア兵203人の遺骨が発掘された。そのうち75人の身元がDNA鑑定で特定され、親族に伝えられたという。なお、遺骨は現在、フロメルで個別に埋葬されている。

 わずか24時間のフロメルの戦いで死亡、負傷、または行方不明になったオーストラリア兵は5500人以上とも言われ、オーストラリア史上最もせい惨な戦いとされている。

 ラッド首相は、「遺族は94年近くも待ってようやく居場所を知ることができた。心の安らぎを得てもらえればいいが」と話した。(c)AFP