【2月14日 AFP】中国は14日、春節(旧正月、Lunar New Year)を迎えた。1年で最も大切なこの祝日を家族と過ごすため、中国では例年この時期に大勢の人が移動する。定期的な人口移動としては世界でも最大規模のものだ。

 中国気象局の13日の発表によると、中国南部は雨と雪に見舞われ、北部は気温が低下し、東部の一部地域では大雪になる見通しだ。2008年には南部と中部の記録的寒波で交通が混乱し、数百万人の帰省客が影響を受けた。当局はその再来だけは避けたい意向だ。 

 前月末に始まった帰省シーズンに鉄道で移動する人は全国で2億1000万人、このほか約3000万人が飛行機で、数百万人がバスを利用するとみられている。

 故郷を離れて都会で暮らしている人が多いため、帰省シーズンの運賃の値上がりは深刻な問題だ。往復の鉄道運賃が月収と同程度になる場合もあるという。

■アジア各国でも

 春節は中国以外のアジア諸国でも大きな祝日だ。

 韓国でもこの時期、大勢の人が故郷に帰って祖先の霊を弔う。シンガポールではリー・シェンロン(Lee Hsien Loon)首相が春節のあいさつを述べ、激減した出生率が新年に回復するよう祈った。

 中国では寅年に生まれた子どもは気象が荒くなるという迷信があり、中国系が多いシンガポールでは寅年の出産を控える傾向がある。出生率の低下を懸念する首相は「迷信にこだわるべきではない。寅年に生まれた子どもも、他の年に生まれた子どもと違いはない」と話した。またシンガポールでは春節の14日に同国初のカジノがオープンする。

■今年は「2倍めでたい」

 今年は数十年ぶりに春節がバレンタインデーと重なることから香港(Hong Kong)では「2倍めでたい」とされている。ペニンシュラホテル(Peninsula Hotel)はヘリコプターに乗って新年を祝うビクトリアハーバー(Victoria Harbour)の花火を見ながら、恋人にプロポーズしたり、夫婦があらためて愛を誓ったりするサービスを企画した。

 カンボジアでは約30万人の中国系カンボジア人が春節を祝う。カンボジアでも春節は大きな行事になりつつあり、春節を楽しむ非中国系のカンボジア人も増えているという。(c)AFP