【2月10日 AFP】中国北部陝西(Shaanxi)省の野生動物公園で、とら年を記念してトラの絶滅危惧(きぐ)に警鐘を鳴らそうと、中国の若者3人が、トラ48頭の生息する地区で滞在生活を始めた。国営新華社(Xinhua)通信が8日伝えた。

 トラの群れに滞在中の3人は、年齢24~25歳。「度胸試し」に応募した650人の中から選ばれた。西安(Xian)郊外の秦嶺(Qinling)サファリパーク内のトラ地区の真ん中にある小さな小屋で、7日から10日朝まで73時間滞在する。

 新華社通信によれば、小屋には電力も暖房も家具もなく、わらで覆われているだけだという。

 3人は滞在中、カメラやパソコンで、縄張りや食事、交尾相手をめぐる争いなど、トラの生態を観察する。

 かつて中国全土に生息したトラだが、数世紀にわたる密猟や生息地の破壊により、現在では絶滅の危機に瀕(ひん)している。

 中国の公式統計をもとに、トラ保護活動の関係者は、中国全土に生息する野生のトラは50頭未満と推計している。保護活動家らは、中国の伝統的な漢方にトラの体の一部が重用されていることが、トラ絶滅危機の原因の1つだと非難している。

 中国では、春節(旧正月)の14日からとら年が始まる。(c)AFP