【12月21日 AFP】中国で19日、公的資金の支援を受けた初の同性愛者向けのバーが、観光客が多く訪れる雲南(Yunnan)省大理(Dali)にオープンした。開設に深く協力した地元のエイズ撲滅団体がAFPに明らかにした。

 同団体を創設した張建波(Zhang Jianbo)氏によると、バーの目的は同性愛者にくつろぎと出会いの場を提供するとともに、エイズに関する啓蒙(けいもう)活動を行うこと。当初は世界エイズデー(World AIDS Day)の1日にオープンする予定だった。

 しかし、バーに地元政府が12万元(約160万円)を出資していることからメディアの注目が集まりすぎ、開店を延期していた。

 中国政府は2001年まで同性愛を精神的疾患とみなしていた。同国では、同性愛は依然として非常に繊細な問題で、家族や友人に事実をカミングアウトできない同性愛者が多い。1人っ子政策のため、親たちが子どもに結婚して子孫を残すことを強く望むという事情も背景にある。

 中国の同性愛者数は、国営新華社(Xinhua)通信の報道では1500万人、国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)の2005年の統計では約3000万人といわれる。そのほとんどが同性愛者である事実を隠しているとみられる。(c)AFP