【12月20日 AFP】英語を話せることが、よりよい生活を得るための1つの手だてとなっているバングラデシュで、電話1本で受講できる英語レッスンが大ヒットとなっている。

 携帯電話から3000番に電話をかければ受講できる英語のレッスンは1回3分と短いが、繊維貿易を学ぶラーマンさん(21)は、このレッスンが英語学習として早くも成果を上げていると述べる。バングラデシュでは、ダッカ(Dhaka)に拠点を置く外国企業から実入りの良い仕事をもらうために英語がとても重要なのだ。

 携帯電話による英語レッスン「Janala(窓)」は、英国放送協会(BBC)の慈善事業部門が前月開始したばかりだが、バングラデシュでは早くも数万人の若者がこのサービスを利用している。事業の目標は2011年までに600万人に英語を教えることだという。

 ラーマンさんは「とても簡単で効果的」とレッスンを評価する。1レッスンあたりの受講料は3タカ(約4円)。ラーマンさんによれば、「バングラデシュで英語を覚える最も安価な手段」だという。「(バングラデシュには)たくさんの英語教室があるが、そのほとんどはぼったくりで低品質だ」

「Janala(窓)」は、会話、発音、基礎的な英語を録音レッスンで毎週5日、18か月間で教えるというもの。バングラデシュではすでにヒットビジネスとして人気を博している。

 Janalaを提供するBBCの国際援助団体「BBC World Service Trust」のサラ・チェンバレン(Sara Chamberlain)代表は、「びっくりしている」と語る。「初日にかかってくる電話は2万5000件以下だろうと考えていた。しかし、実際には8万4000件の電話があり、現在も件数は増加している」と語った。同団体は、貧困の削減や人権の周知、生活の向上に取り組んでいる。

 もっとも初歩的な「エッセンシャル・イングリッシュ」のコースはレッスン78回分。1日につき1レッスンずつで、英語で相手に話しかける方法を学ぶ。(c)AFP/Shafiq Alam