【12月17日 AFP】一年中、クリスマスを祝って暮らしているちょっと変わった英国人男性、通称「ミスター・クリスマス」が、世界同時不況で生活の見直しを迫られている。

 この男性は、英南西部メルクシャム(Melksham)に住む電気技師で離婚歴のあるアンディ・パーク(Andy Park)さん。15年前の7月14日、退屈しきっていたパークさんは、自分を元気づけるため、家をクリスマスムード一色にしようと思い立った。これが功を奏したことから、パークさんは以来、毎日クリスマスを祝って暮らすことに決めた。

 まず、ミンスパイとシェリー酒の朝食をとる。昼食は七面鳥の丸焼きだ。そして、食後はエリザベス女王(Queen Elizabeth II)のクリスマスメッセージの録画ビデオを見て過ごす。これがパークさんの日常生活だ。こうした生活に、パークさんは年間1万1000ポンド(約160万円)を費やしてきた。

 ところが、金融危機の影響でパークさんの収入もダウン。2009年の「クリスマス生活費」は5000ポンド(約73万円)と、大幅な縮小を余儀なくされた。「以前は、毎日6.5キロの七面鳥を食べていたが、今ではたった1.8キロの小さな七面鳥だ」(パークさん)

 付け合わせのローストポテトも9つから4つに、グリーンピースも40粒からスプーン1杯まで減らしたという。シャンパンも1本を少しずつ、2日間かけて飲む。ミンスパイも以前の1日40個から今は12個。付け合わせの生クリームはお預けだ。

 しかし、金融危機は悪いことばかりでもなかったとパークさんはいう。
食事を減らしたおかげで体重は124キロから102キロに減り、その結果「気分も爽快だし、ルックスも良くなった」そうだ。今では、犬の散歩も楽しんでいるという。

 そんなパークさんが夢見る自身の最後は、棺(ひつぎ)を芽キャベツで一杯に満たしてもらうこと。葬儀にはサンタクロースの衣装で参列してもらうこと。そして、葬儀後はクリスマスディナーで、自分をしのんでもらうことだそうだ。(c)AFP