【12月5日 AFP】英南部オックスフォードシャー(Oxfordshire)州のテムズ川にかかる18世紀に造られた石橋「スウィンフォード(Swinford)橋」が3日競売にかけられ、108万ポンド(約1億6000万円)で落札された。

 落札者は匿名を希望している。競売を手がけた英競売会社アルソップ(Allsop)は、この橋の落札価格を100万~125万ポンド(約1億5000万~1億9000万円)と見積もっていた。競売に関しては米国、オーストラリア、ヨーロッパのほか、ジャマイカからも興味を示す顧客からの問い合わせを受けていたという。

 スウィンフォード橋は個人が所有する有料の橋で、年間400万台が利用している。通行料は車種によって異なり、乗用車なら1台あたり5ペンス(約7.5円)だ。アルソップによると、現在の通行料収入は11万4000ポンド(約1700万円)に上る。しかも、橋の所有者が通行料として得た収入には所得税と事業税をかけないという1767年の建造当時に議会が決めた特権が現在も認められている。このような橋は英国でも珍しい。

 一方、橋の通行料による収入に税金がかからないのは不公平である上、料金徴収に時間がかかって渋滞の原因になっているとして、地元では通行料撤廃を求める運動が起きている。地元の地方自治体は財政的な事情により、この橋を買い上げることができなかった。

 だが、橋の所有者が多大な利益を得られるわけではない。橋の修繕や維持管理に費用がかかるからだ。橋の運営費は公表されていないが、現在行われている2020年完了予定の修繕工事には67万ポンド(約1億円)かかるとみられている。(c)AFP