【11月29日 AFP】きわどい性描写のブログを執筆し、売春婦としての生活を描いた書籍でベストセラー作家となった「ベル・ド・ジュール(Belle de Jour)」という人物は自分だと告白した英科学者ブルック・マグナンティ(Brooke Magnanti)さんが26日夜、テレビに出演し、売春婦をしていた日々に対する思いを語った。

 ブルック・マグナンティさんは、環境暴露と母胎や子どもへの影響を研究する英ブリストル大学(University of Bristol)のBIRCH(Bristol Initiative for Research of Child Health)の研究者。売春婦の日々をつづったブログの作者「ベル・ド・ジュール(Belle de Jour)」であることを11月に告白した。ベル・ド・ジュールは、女優カトリーヌ・ドヌーヴ(Catherine Deneuve)が主演した1960年代のフランス映画『昼顔(原題:Belle de jour)』の題名だ。

 マグナンティさんは26日夜、スカイアーツ1(Sky Arts 1)テレビの番組「The Show Book」に出演し、「ホテルに入り、『今からわたしは仕事をする。とても上手に仕事をする』と感じた瞬間が恋しい」と語った。

■売春婦からベストセラー作家に

 マグナンティさんは学位論文を執筆中に資金がなくなり売春婦のエージェントに加入し、1回あたり300ポンド(約4万3000円)で売春を始めた。

 マグナンティさんは、03年から04年にかけてブログに売春婦の仕事の様子を執筆、書籍化した「The Intimate Adventures of a London Call Girl(ロンドンコールガールの秘密の冒険)」はベストセラーとなった。

 さらにテレビドラマ化された英女優ビリー・パイパー(Billie Piper)主演で全16話の「Secret Diary of a Call Girl(コールガールの秘密日記)」は世界各地で放映された。

■「わたしは幸運だった」

 マグナンティさんは、「顧客」と会うことについて「ほかのいろいろな仕事と同じだと思う。自分の個性の一部分を出すから、ベル・ド・ジュールはわたしと別人とはいえない。ベル・ド・ジュールはわたしの中でわたしが最も自信のある部分なの」と語る。

 また、売春婦という過去を恥ずかしく思うことはないが、売春婦という悪名高い世界での自分の経験は幸運に恵まれていたのだと述べた。

「恥ずかしいとは思わなかったけれど、人々の反応を恐れていたわ。ああいう状況で人々がどういう行動をするかは、実際に経験してみないことにはなかなかわからないものだと思う。奇妙に聞こえるでしょうけれど、後悔はしていません。もちろん悪い面もあったわ。わたしは幸運だったと思う。(売春が)生活の大半を占めるようになる前にやめることもできたし」

(c)AFP