【11月22日 AFP】世界のファッションの中心地はフランスかもしれない。しかし、こと犬のファッションについては米国が世界で最高だ。少なくとも、米国のドッグファッションをフランスに紹介しているフランスの若きデザイナー、セリーヌ・ブールー(Celine Boulud)さん(24)はそう話す。

 ブールーさんは、ニューヨークを拠点とする米服飾ブランド「ビル・ブラス(Bill Blass)」で夏期インターンシップ中にこのトレンドを知り、ペット・ファッション・ウィーク(Pet Fashion Week)にも参加した。

「犬のファッションはニューヨーク(New York)で大流行していたわ」とブールーさん。「どの街角にも犬のファッションブティックがあって、見かける犬はたいてい服を着ていた。犬だけでなくて、ウサギやハムスターもハロウィーン(Halloween)用の衣装を着ていたのよ」

■地元リヨンでドッグファッションのブティックを開店

 フランス東部のリヨン(Lyon)に戻った若きデザイナーは、「犬を愛する国」として知られ、総人口6200万人に対して800万頭のイヌが飼われているフランスにおいて、イヌのファッション市場は成長の可能性を秘めていることに気づいた。

 デザイン学校を卒業したブールーさんは今年初め、あふれるインスピレーションと起業家精神を武器に、リヨンでイヌのファッションブティックを開いた。セーラーセーターやレザージャケット、デニムの服やレースのドレスなど、あらゆる衣服をそろえている。

 有望なニッチ市場に着目した点が評価され、ブールーさんはフランスのランジェリーブランド、シャンタル・トーマス(Chantal Thomass)から賞を受けた。賞金はブティックの1年分の賃料をまかなうに十分な額だったという。

 ブールーさんが得意としているのはオーダーメードの犬の服だ。たとえば、顧客の1人、イヌのグルーミングサロンの経営者が飼っているチワワのエドガー(Edgar)は、既製服がどれも大きすぎたため特注品が必要だった。飼い犬のファッションには気を使っているというこの顧客は、襟にファーをあしらったレザージャケットを注文した。

 自身の2匹の飼い犬にはオーダーメードの服を着せていないというブールーさんは、ウェブサイトで「フランスで唯一、デザインから販売まですべて行っている」とうたっている。オーダーメードは1着で最高500ユーロ(約6万6000円)ほどだという。(c)AFP/Laure Brumont

【参考】セリーヌ・ブールーさんのブティックのサイト(フランス語)