【11月18日 AFP】競売大手クリスティーズ（Christie's）は17日、故イヴ・サンローラン（Yves Saint Laurent）氏と彼の長年のパートナー、ピエール・ベルジェ（Pierre Berge）氏の所蔵品のオークションを仏パリ（Paris）で開始した。オークションは20日までの4日間行われる。

　シャンゼリゼ（Champs Elysees）通り近くの劇場で始まったオークションには、ベルジェ氏とともにサンローラン氏の愛犬、フレンチ・ブルドッグのムジック（Moujik）も来場し、落札の行方を静かに見守った。

　クリスティーズは今年2月にもサンローラン氏とベルジェ氏所蔵の美術・工芸品などのオークションを開催し、落札総額は3億4200万ユーロ（約453億円）を記録した。米経済誌フォーブス（Forbes）によれば、このオークションによってサンローラン氏は2009年、マイケル・ジャクソン（Michael Jackson）やエルビス・プレスリー（Elvis Presley）を抜いて、死後最も稼いだ著名人になった。

　今回出品される約1180点のほとんどは、2人が1980年代初めに購入したノルマンディー（Normandy）地方の3階建て別荘にあったものだ。

　17日のオークションでは約300点が出品され、買い手が付かないものもあったが、95％は落札された。1日の落札総額は経費込みで220万ユーロ（約2億9000万円）だった。

　17日の目玉となった19世紀のシャンデリアは、予想落札額1万～1万5000ユーロ（約130～200万円）を大幅に上回る8万2600ユーロ（約1100万円）で落札された。そのほか、予想落札額が2000～3000ユーロ（約27万～40万円）、4000～6000ユーロ（約53万～80万円）とされたナポレオン3世（Napoleon III）のテーブル、家具のセットは両方とも4万9000ユーロ（約650万円）の値が付いた。

　今回のオークションで最高値を付けると予想されているのは、今後出品予定のフェルナン・ルジェ（Fernand Leger）の絵画で、6万～7万ユーロ（約800万～930万円）で落札されるとみられている。
　
　4日間の落札合計額は、2月のオークションにははるかに及ばないものの、諸経費を別にして400万ユーロ（約5億3000万円）になると想定される。ベルジェ氏によれば、収益はすべてエイズの研究や啓発運動に寄付されるという。(c)AFP/Claire Rosemberg

【関連情報】
◆サンローランの所蔵品が11月17日から競売に、落札金は寄付へ
◆故イヴ・サンローラン氏所蔵品の競売、落札総額は過去最高の460億円に
◆特集：追悼イヴ・サンローラン氏
◆【イヴ・サンローラン】過去記事一覧