【11月17日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領の初めての訪中は、貿易摩擦や地球温暖化問題などで困難な協議が予想されるが、別の悩ましい問題も持ち上がっている――。標準中国語で「オバマ」をどう書けばよいのだろうか。

 中国のメディアは、オバマ大統領が政界で脚光を浴びるようになって以来、一貫して「奥巴馬」と表記している。「奥」の字が採用されたのには、前年の北京五輪も影響しているかもしれない。「奥」には「神秘的」「秘密」の意味があり、北京五輪は「奥林匹克」と表記されていた。

 だが北京の米国大使館は、オバマ大統領訪中に先立ち、ウェブサイト上で「欧巴馬」の表記を採用した。「欧巴馬」は、既に台湾と香港では使用されている。

 一方で、中国外務省のウェブサイト上では、オバマ大統領は「奥巴馬」のまま。中国メディアも、この時点での強制的な表記変更は米政府にとって困難な仕事になるかもしれないとけん制している。

 英語名の中国語訳は、外務省ではなく、翻訳の公式マニュアルを発行している別の政府機関が決定している。北京の夕刊紙、法制晩報(Legal Evening News)によると、ある外務省高官は「欧巴馬」の方が正確であることを認めているという。

 一部の中国人ブロガーたちは、オバマ大統領に対し、中国の革命指導者である毛沢東(Mao Zedong)と混ぜ合わせた「毛巴馬」、「奥巴毛」といった呼び名を用いている。(c)AFP