【11月13日 AFP】世界的に名高い英国空軍(Royal Air Force、RAF)のアクロバット飛行チーム「レッドアローズ(Red Arrows)」に、同チーム史上初となる女性パイロットが誕生した。

 レッドアローズは、英国女王エリザベス2世(Queen Elizabeth II)の誕生日などの国家イベントに加えて、国内外の航空ショーで高速旋回などの高度な編隊飛行を披露する世界屈指のアクロバット飛行チーム。1965年に編成されて以降、53か国で4200回を超える飛行演技を披露してきた。

 同飛行チームのメンバーは長年、男性パイロットのみだったが、このほど40人の志願者の中からカースティ・ムーア(Kirsty Moore)空軍中尉(31)が選ばれ、レッドアローズ初の女性パイロットとなり、英東部リンカーンシャー(Lincolnshire)の英国空軍基地で12日、レッドアローズの仲間とともに初の飛行演技を披露した。

 英インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)で航空工学の修士号を取得したムーア中尉がレッドアローズへの参加を目指したのは、英空軍の航空士だった父親の影響だという。

 初飛行に先立ちムーア中尉は、「レッドアローズ初の女性パイロット誕生が大きな出来事であるのはわかるけど、でもこれはタイミングの問題。わたしが選ばれたのは単に幸運だっただけ」と冷静に語る一方で、自分の名前がメンバーとして呼ばれた時には、「信じられない気持ちだった。私の人生で最高のできごと。とても誇りに思う」と喜びを語った。

 ムーア中尉は2012年までレッドアローズのメンバーを務める。(c)AFP