【10月27日 AFP】キューバのフィデル・カストロ(Fidel Castro)前国家評議会議長(83)とラウル・カストロ(Raul Castro)現議長(78)の妹、フアナ・カストロ(Juanita Castro)さん(76)が、26日に発売された回顧録の中で、米国がフィデル氏を暗殺して共産主義政権を転覆する計画を立てていた1960年代に、米中央情報局(CIA)に協力したことを告白した。

 米スペイン語放送局ユニビジョン(Univision)が放送したインタビューによれば、スペイン語書籍『Fidel and Raul, My Brothers. The Secret History(わたしの兄フィデルとラウル、隠された歴史)』の中で、フアナさんはCIAへの協力を明らかにした。フアナさんはカストロ家兄弟姉妹7人のうちの5番目。現在米国に在住している。

 インタビューによれば、フアナさんはフィデル氏とラウル氏と絶縁した後の1964年に、CIAの接触を受けてキューバ国内でCIAと協力し、同年国外に亡命した後もCIAと協力を続けたという。

 フアナさんは、フィデル氏とフアナさんの両者に近い人物から接触を受け、「CIAが話したいそうだ」と伝えられたという。衝撃を受けたが、「いずれにせよわたしは受諾した」と述べる。

 回顧録の共著者、ジャーナリストのマリア・アントニエタ・コリンズ(Maria Antonieta Collins)氏によると、フアナさんは10年前から回顧録の執筆を始めていたという。

 コリンズ氏は、米インターネット小売大手アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)に掲載された紹介文の中で、「現代の中南米史で最も知られる政治家の2人の妹として生まれた人物による、直接の証言である」と説明した。(c)AFP