【10月20日 AFP】オーストラリア北部で、オーストラリア人男性が「まるでコアラのように」木に12時間しがみついて、足もとの水面で待ちかまえるワニから逃げのびた。オーストラリア放送協会(ABC)などが20日、伝えた。

 スタン・マーテル(Stan Martell)さんは16日、ウエスタンオーストラリア(Western Australia)州北部のワニの出没地として知られるリン川(Lynne River)をボートで下っている最中に、居眠りをしてしまった。マーテルさんが目を覚ますと、ボートは木の間にはさまっており、ボートの中は水でいっぱいになっていたという。

 マーテルさんは、ABCに対し、「木の上にできるだけ高くのぼって、一晩中、まるでコアラのようにしがみついていた」と語った。

 一晩中、枝が折れてしまうのではないかと恐怖を感じたという。「ワニのことを多少警戒した。足もとにワニが2匹いるのがみえた。1匹は約3メートルもあったよ」

「どこにも泳いで行きたくなかった。だから木の上にずっと座って、ボートを見つめながら『こんなことが起きたのが信じられない』と思っていたよ」(スタン・マーテルさん)

 マーテルさんは衛星携帯電話をつけて非常用無線標識を発信し、次の朝には救助隊がマーテルさんを無事発見したという。

 地元警察のJohn Kazandsis巡査部長は、マーテルさんはワニを2匹しか見かけなかったかもしれないが、「水中にはもっとたくさんいただろうね」と語った。(C)AFP