【10月5日 AFP】前週1日に小型船で北朝鮮を脱出した11人が韓国当局に保護された件で、船は北朝鮮当局のレーダーに捕捉されないよう、迂回して公海に出て韓国を目指したことが明らかになった。

　韓国の海上警察は1日、同国東部沖の日本海上で、北朝鮮から脱出してきたとみられる住民11人が乗っていた3トン程度の木造小型船を発見し、保護した。

　4日の韓国の聯合（Yonhap）ニュースによると後の調べで、この船は北朝鮮北東部の咸境北道金策（Kimchaek）市の港を前月27日に離れ、沖合約250キロの公海上まで出てから南下した。

　韓国政府関係者によると、船は出発時、漁船を装い「沿岸からまず可能な限り遠洋へ出て、北朝鮮の軍事レーダーの追跡を受けないようにしてから、南に方向を変えて韓国領海を目指した」とみられる。

　乗っていた11人のうち9人は家族で、韓国への亡命を希望しており、今回の脱出は1年をかけて計画したと調査担当官に述べた。

　また6人が女性だったが、うち2人は船にたまたま乗り込んだと主張し、亡命する意志は固めていないとされる。

　海路で大量の住民が脱北するのは7年ぶりで、脱北の経路としては珍しく、ほとんどの脱北者は中国との国境を越えて東南アジア諸国を経て、韓国に亡命するルートを使う。1953年の朝鮮戦争の休戦協定以来、これまでに約1万7000人が脱出しているが、その多くは近年になってからの亡命者だ。(c)AFP