【9月23日 AFP】ボリス・エリツィン(Boris Yeltsin)露大統領(当時)はかつて、深夜に米ホワイトハウス(White House)の近くを下着姿でうろついているところをシークレット・サービスに発見された。泥酔していたようで、ピザを探していた――。22日の米USAトゥデー(USA Today)紙に掲載されたビル・クリントン(Bill Clinton)氏の米大統領時代について書かれた新著の抜粋でこのような出来事があったことが明らかになった。

 この本は、ピュリツァー賞受賞ジャーナリストのテイラー・ブランチ(Taylor Branch)氏がクリントン氏との79回におよぶインタビューをまとめたものだが、インタビュー自体は主にホワイトハウス内で行われたにもかかわらず、大統領スタッフには秘密にされていた。

 テイラー氏はUSAトゥデー紙に対し、クリントン氏は「1995年の訪米中に起きた泥酔したエリツィン氏の一件は、国際問題になりかねない事態だったと語ってくれた」と述べた。

 エリツィン氏は当時、ホワイトハウスに近い賓客用宿泊施設ブレアハウス(Blair House)に滞在していた。タクシーを呼び止めようとしていたところをシークレット・サービスに発見された際、ろれつが回らない様子でピザを探していると話していたという。

 2007年に亡くなったエリツィン氏は、過去何度か酒がらみの失態を犯している。ドイツを訪問した際、楽団の演奏中に指揮者から指揮棒を奪い自ら指揮を行ったことがあるほか、当時のキルギスタンの大統領のはげた頭をスプーンでもてあそんだこともあった。

 また、この本では、後継を争った大統領候補たちをクリントン氏がどう見ていたかについても触れている。それによると、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)氏は「大統領の資格なし。だが、選挙戦における鋭い嗅覚を持っていた」とされている。

 最終的にブッシュ氏とバラク・オバマ(Barack Obama)氏に敗れてしまったジョン・マケイン(John McCain)氏については、「良い大統領になる可能性はある。だが、大統領選の戦い方を知らない」とした。

 700ページにわたるこの本は、来週発売される。(c)AFP