【9月21日 AFP】伝説的チェスプレイヤーのガルリ・カスパロフ(Garry Kasparov)氏(46)とアナトリー・カルポフ(Anatoli Karpov)氏(58)が、9月21~25日にスペイン・バレンシア(Valencia)で25年ぶりに対戦する。

 モスクワ(Moscow)で当時の世界王者カルポフ氏と、挑戦者カスパロフ氏の初手合わせとなった1984年の対戦は、延々5か月に及んだ後、勝者なしで終えられた。あれから四半世紀。今回はラピッド(早指し)8試合とセミ・ラピッド4試合の計12試合だけで行われる。

 カスパロフ氏は、時間制限付きの試合はモスクワ対決ほどスリリングではなく、「セレモニー的な試合になるだろう」と言っているが今回の対戦を前に、チェスの神童といわれるノルウェーの天才少年マグヌス・カールセン(Magnus Carlsen)君(18)と、オスロ(Oslo)でトレーニングを積んできた。

 また主催者によると、カルポフ氏もまた前週はスペイン沿岸の拠点にこもって、世界レベルの選手たちのグループやコンピューターと試合を重ねたという。

 1984年の対戦時、世界チャンピオンのカルポフ氏は33歳、挑戦者カスパロフ氏は21歳。先に6勝をあげた方が新チャンピオンとなる予定だったが、5か月後も決着はつかず、カルポフ氏が5勝、カスパロフ氏が3勝、そして引き分けが40試合以上に上った。2人は続行を希望したが、国際チェス連盟(World Chess Federation)が2人の健康を懸念し試合を中止、この決定は物議を醸した。

 翌85年に世界チャンピオンとなったカスパロフ氏は、翌年もタイトルを防衛した。その後カスパロフ氏は2005年に引退を表明し、自らの政党を結成。ロシアの反プーチン派野党を率いている。

 最後に2人が対戦したのは1990年で、このときは僅差でカスパロフ氏が勝った。(c)AFP