ジスカール・デスタン元仏大統領が恋愛小説、故ダイアナ元妃がモデル?
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【9月21日 AFP】(写真追加)フランスのヴァレリー・ジスカール・デスタン(Valery Giscard d'Estaing)元大統領(83)が、英国の故ダイアナ元妃(Princess Diana)を思わせる英国王妃とフランス大統領の恋愛小説を執筆し、これまでとは違った脚光を浴びそうだ。
21日の仏紙フィガロ(Le Figaro)は、この小説『The Princess and the President(皇太子妃と大統領)』は、明らかにジスカール・デスタン氏自身と故ダイアナ元妃をモデルにした2人の主人公の、情熱的な秘密の恋愛を詳細に描いたもの、と報じた。
小説内の仏大統領「ジャック・アンリ・ランベルテ(Jacques-Henri Lambertye)」と英皇太子妃「パトリシア・オブ・カーディフ(Patricia of Cardiff)」は、主要7か国(G7)首脳会議の閉会のディナーで出会う。このとき、英皇太子妃は夫の不倫によって惨めな気持ちで取り残されていた。
物語の語り手は大統領だ。「わたしが彼女の手をとり口づけをすると、彼女は不思議な顔をしてわたしを見た。青みがかったグレーの瞳が大きくなったかと思うと、彼女はそっと頭を前に傾けた」と、フィガロは2人の出会いの場面を引用している。
■皇太子妃は故ダイアナ元妃にそっくり
しかし、ダイアナ元妃の死に便乗する本があふれる出版界のなかで、その最新刊とも言えるこの小説には、部分的に真実も混じっているのではないかと受け取れる箇所もあり、ひと騒動となることは必至そうだ。
フィガロ紙によると、小説の書き出しの一言は「約束は守られた」で、最後は「彼女はこう言った。『あなたは物語を書かせてほしいと、わたしに許しを求めましたね。ええ、そうしてくださってよいです。その代わり、あなたはひとつ、わたしに約束しなければいけないわ』」と締めくくられている。
小説として出版されるが、登場人物は最近の実在の人物をモデルにしていることは間違いない。小説中のパトリシア皇太子妃は、故ダイアナ妃と同じように、エイズ・ウイルスに感染した子どもたちへの慈善活動や地雷撲滅キャンペーンに情熱を注いでいる。
同じくフィガロ紙が引用した部分によると、英皇太子妃がフランスの指導者である恋人にこう語る場面もある。「結婚の前夜、未来の夫は愛人がいることをわたしに明かし、そしてその関係をこれからも続けていくことに決めている、と言ったのです」
■大統領時代の功績に傷がつく、と批判続々
しかし、ジスカール・デスタン氏の今回の「秘められた恋愛関係」をにおわせる執筆で、自らを笑われ者にするだけだという批評家たちも多い。大統領時代最後の年の1981年、ジスカール・デスタン氏は55歳、故ダイアナ元妃は19歳だった。
小説はジスカール・デスタン氏の功績を傷つけかねないという声もある。「彼は後世の人びとに、自分のことをどのように思い出してもらいたいのだろうか。妊娠中絶を合法化し、選挙権を18歳に引き下げ、閣僚に女性を加えた大統領としてではないのだろうか」とウェブサイトで問い詰めたのは、仏女性誌マリアンヌ(Marianne)だ。「ダイアナ元妃について書くことで、ジスカールは『セレブ大統領』の大発明者になり、まったく自分を塗り替えてしまった。これでは歴史の理解に精神分析医の治療を必要とする下品なゴシップ大統領だ」と辛辣(しんらつ)だ。
故ダイアナ元妃は1997年にパリ(Paris)で、恋人の故ドディ・アルファイド(Dodi Fayed)氏とともに交通事故で死亡したが、生前も死後も、その人生と恋愛遍歴はマスメディアの格好の的だった。現在もダイアナ元妃を扱った本は非常によく売れる。
ジスカール・デスタン氏の小説『The Princess and the President(皇太子妃と大統領)』は10月1日、フランス語版が仏出版社Fallois-Xoから発売される。(c)AFP/Dave Clark
21日の仏紙フィガロ(Le Figaro)は、この小説『The Princess and the President(皇太子妃と大統領)』は、明らかにジスカール・デスタン氏自身と故ダイアナ元妃をモデルにした2人の主人公の、情熱的な秘密の恋愛を詳細に描いたもの、と報じた。
小説内の仏大統領「ジャック・アンリ・ランベルテ(Jacques-Henri Lambertye)」と英皇太子妃「パトリシア・オブ・カーディフ(Patricia of Cardiff)」は、主要7か国(G7)首脳会議の閉会のディナーで出会う。このとき、英皇太子妃は夫の不倫によって惨めな気持ちで取り残されていた。
物語の語り手は大統領だ。「わたしが彼女の手をとり口づけをすると、彼女は不思議な顔をしてわたしを見た。青みがかったグレーの瞳が大きくなったかと思うと、彼女はそっと頭を前に傾けた」と、フィガロは2人の出会いの場面を引用している。
■皇太子妃は故ダイアナ元妃にそっくり
しかし、ダイアナ元妃の死に便乗する本があふれる出版界のなかで、その最新刊とも言えるこの小説には、部分的に真実も混じっているのではないかと受け取れる箇所もあり、ひと騒動となることは必至そうだ。
フィガロ紙によると、小説の書き出しの一言は「約束は守られた」で、最後は「彼女はこう言った。『あなたは物語を書かせてほしいと、わたしに許しを求めましたね。ええ、そうしてくださってよいです。その代わり、あなたはひとつ、わたしに約束しなければいけないわ』」と締めくくられている。
小説として出版されるが、登場人物は最近の実在の人物をモデルにしていることは間違いない。小説中のパトリシア皇太子妃は、故ダイアナ妃と同じように、エイズ・ウイルスに感染した子どもたちへの慈善活動や地雷撲滅キャンペーンに情熱を注いでいる。
同じくフィガロ紙が引用した部分によると、英皇太子妃がフランスの指導者である恋人にこう語る場面もある。「結婚の前夜、未来の夫は愛人がいることをわたしに明かし、そしてその関係をこれからも続けていくことに決めている、と言ったのです」
■大統領時代の功績に傷がつく、と批判続々
しかし、ジスカール・デスタン氏の今回の「秘められた恋愛関係」をにおわせる執筆で、自らを笑われ者にするだけだという批評家たちも多い。大統領時代最後の年の1981年、ジスカール・デスタン氏は55歳、故ダイアナ元妃は19歳だった。
小説はジスカール・デスタン氏の功績を傷つけかねないという声もある。「彼は後世の人びとに、自分のことをどのように思い出してもらいたいのだろうか。妊娠中絶を合法化し、選挙権を18歳に引き下げ、閣僚に女性を加えた大統領としてではないのだろうか」とウェブサイトで問い詰めたのは、仏女性誌マリアンヌ(Marianne)だ。「ダイアナ元妃について書くことで、ジスカールは『セレブ大統領』の大発明者になり、まったく自分を塗り替えてしまった。これでは歴史の理解に精神分析医の治療を必要とする下品なゴシップ大統領だ」と辛辣(しんらつ)だ。
故ダイアナ元妃は1997年にパリ(Paris)で、恋人の故ドディ・アルファイド(Dodi Fayed)氏とともに交通事故で死亡したが、生前も死後も、その人生と恋愛遍歴はマスメディアの格好の的だった。現在もダイアナ元妃を扱った本は非常によく売れる。
ジスカール・デスタン氏の小説『The Princess and the President(皇太子妃と大統領)』は10月1日、フランス語版が仏出版社Fallois-Xoから発売される。(c)AFP/Dave Clark