自作キャラでボランティア活動、「無名のスーパーヒーローたち」 米国
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【9月21日 AFP】米東海岸ニューイングランド(New England)地方の港町、ニューベッドフォード(New Bedford)にあるホテルの1室で、ある男性がニューヨークから来た「ヒップスター」よろしく、黒い中折れ帽に細い黒ネクタイ、鋲(びょう)のついたベルトと、次々にそれらしいアイテムを身につけ、街に出かける準備をしていた。
シャイム・「ライフ」・ラザロス(Chaim "Life" Lazaros)さん(24)は「現実の世界」では大学ラジオのDJだが、変身モードのときには「ヒーロー」の装いで、ホームレス支援を行っている。その支援の現場で、この目立つ扮装が役立つ。「みんなの目につくからね。街中にいると、好奇心や興味をもった人たちからいろいろ質問されるんだ」
■全米200人のヒーロー・ネットワーク
3年前、ラザロスさんとドキュメンタリー映画作家のベン・ゴールドマン(Ben Goldman)さんが立ち上げたのが、現実の社会のヒーローたちが集まるグループ「スーパーヒーローズ・アノニマス(Superheroes Anonymous、無名のスーパーヒーローたち)」だ。現在、全米で約200人の「スーパーヒーロー」によるネットワークに発展したという。
彼らのいうスーパーヒーローとは、自分で考案したヒーロー・キャラクターに扮して街中を見まわり、人々を助ける「普通の市民」だ。
■多岐にわたるボランティア活動
「ミッション」は、ホームレス支援から風俗産業で働く人々を対象とした福祉活動、街中の清掃から犯罪防止活動、救急手当て講習の実施などさまざまだ。
9月初旬、このグループのメンバー約20人が全米からニューベッドフォードに結集した。ヒップホップ・ライブや浜辺の清掃活動、街中で遭遇した「敵」を「武装解除」させる方法などに関するワークショップなどを含んだ3日間のイベントを開催するためだ。
「スカベンジャー(ゴミあさり)」を名乗る28歳の女性のソーシャルワーカーは、黒のビスチェにタイトなボディタイツ、顔は目だけを残してマスクで覆っている。
コスチューム・デザインのインスピレーションになったのは、カラスとコンドルだという。「彼らは生まれつきのリサイクル主義者だもの。彼らは環境を掃除し、要るものだけしか使わない。わたしも街のごみを拾ってるの」。拾ったごみを売って得る金銭は、ホームレスの支援に寄付している。
オハイオ(Ohio)州からやって来たマイク・「ナイトオウル」・ジョンソン(Mike "KnightOwl" Johnson)さん(26)は、普段は消防署の救急隊員。フクロウのマークを描いた黒と黄色のジャージが、「夜ふかしの騎士」こと自分の衣装だ。「身のまわりをちょっと見てみれば、人々が深刻に誤った方向に行っていることに気づくと思うんだ。僕たちは少しでもその方向を変えて、社会の困難や苦しみを減らしたい」
ヒーローとして活動していると、安全圏から一歩はみ出す状況にも出会うことがある。ラザロスさんたちはドラッグの密売人と遭遇したこともある。「スーパーヒーローズ・アノニマス」のブログには、実際の犯罪対策活動に役立つコスチュームの作り方まで載っており、なかには防弾ベストも含まれている。
一方、ヒーローのいでたちで、自分が怪しまれることにも自衛策が必要だ。ブログには「警察対策」として、例えばハロウィーンの日などにまず、スーパーのウォルマート(Wal-Mart)のように、地元で人出が多いところにコスチュームで登場しておこうと提案している。それを何度か繰り返し、みんなが「ヒーロー」に慣れてきたところで活動するのが肝心だという。(c)AFP/Michelle Stockman
シャイム・「ライフ」・ラザロス(Chaim "Life" Lazaros)さん(24)は「現実の世界」では大学ラジオのDJだが、変身モードのときには「ヒーロー」の装いで、ホームレス支援を行っている。その支援の現場で、この目立つ扮装が役立つ。「みんなの目につくからね。街中にいると、好奇心や興味をもった人たちからいろいろ質問されるんだ」
■全米200人のヒーロー・ネットワーク
3年前、ラザロスさんとドキュメンタリー映画作家のベン・ゴールドマン(Ben Goldman)さんが立ち上げたのが、現実の社会のヒーローたちが集まるグループ「スーパーヒーローズ・アノニマス(Superheroes Anonymous、無名のスーパーヒーローたち)」だ。現在、全米で約200人の「スーパーヒーロー」によるネットワークに発展したという。
彼らのいうスーパーヒーローとは、自分で考案したヒーロー・キャラクターに扮して街中を見まわり、人々を助ける「普通の市民」だ。
■多岐にわたるボランティア活動
「ミッション」は、ホームレス支援から風俗産業で働く人々を対象とした福祉活動、街中の清掃から犯罪防止活動、救急手当て講習の実施などさまざまだ。
9月初旬、このグループのメンバー約20人が全米からニューベッドフォードに結集した。ヒップホップ・ライブや浜辺の清掃活動、街中で遭遇した「敵」を「武装解除」させる方法などに関するワークショップなどを含んだ3日間のイベントを開催するためだ。
「スカベンジャー(ゴミあさり)」を名乗る28歳の女性のソーシャルワーカーは、黒のビスチェにタイトなボディタイツ、顔は目だけを残してマスクで覆っている。
コスチューム・デザインのインスピレーションになったのは、カラスとコンドルだという。「彼らは生まれつきのリサイクル主義者だもの。彼らは環境を掃除し、要るものだけしか使わない。わたしも街のごみを拾ってるの」。拾ったごみを売って得る金銭は、ホームレスの支援に寄付している。
オハイオ(Ohio)州からやって来たマイク・「ナイトオウル」・ジョンソン(Mike "KnightOwl" Johnson)さん(26)は、普段は消防署の救急隊員。フクロウのマークを描いた黒と黄色のジャージが、「夜ふかしの騎士」こと自分の衣装だ。「身のまわりをちょっと見てみれば、人々が深刻に誤った方向に行っていることに気づくと思うんだ。僕たちは少しでもその方向を変えて、社会の困難や苦しみを減らしたい」
ヒーローとして活動していると、安全圏から一歩はみ出す状況にも出会うことがある。ラザロスさんたちはドラッグの密売人と遭遇したこともある。「スーパーヒーローズ・アノニマス」のブログには、実際の犯罪対策活動に役立つコスチュームの作り方まで載っており、なかには防弾ベストも含まれている。
一方、ヒーローのいでたちで、自分が怪しまれることにも自衛策が必要だ。ブログには「警察対策」として、例えばハロウィーンの日などにまず、スーパーのウォルマート(Wal-Mart)のように、地元で人出が多いところにコスチュームで登場しておこうと提案している。それを何度か繰り返し、みんなが「ヒーロー」に慣れてきたところで活動するのが肝心だという。(c)AFP/Michelle Stockman