【9月18日 AFP】英エリザベス女王(Queen Elizabeth II)の母親で「クイーンマザー」の名称でも知られる故エリザベス皇太后は、チャールズ皇太子(Prince Charles)と故ダイアナ妃(Princess Diana)の不仲が公になるのを「非常に忌まわしい」と思っていた――。17日に発売された皇太后の公式バイオグラフィー『Queen Elizabeth the Queen Mother』には、さまざまな本音がつづられている。

 皇太后は、2002年3月に101歳で亡くなった。エリザベス女王は、皇太后の伝記作家にウィリアム・ショークロス(William Shawcross)氏を選び、皇太后の生前の資料や王室メンバー、スタッフらに自由に取材させるとともに、好きなように書いていいという許可も与えた。そのため題名には「公式」の文字がある。

 同書によると、皇太后は、孫のチャールズ皇太子が1994年にテレビの取材で浮気を認める発言をしたことを、残念がっていた。

 また、ダイアナ妃が生前、アンドリュー・モートン(Andrew Morton)氏による極秘インタビューに応じ、崩壊寸前にある結婚生活を赤裸々に語った本『完全版 ダイアナ妃の真実―彼女自身の言葉による』(1992)が出た時には、ひどく取り乱していたという。「とてもショック。汚れた下着を公衆の面前で洗うようなもの。本当に忌まわしい」と語ったという記録が残されている。 

 皇太后はこのとき、ダイアナ妃を拒絶するような態度はとらなかったが、できる限りチャールズ皇太子の心の支えになろうと努力していたという。

 皇太后が結腸がんを患い、1996年に腫瘍(しゅよう)を取り除いていたことも、明らかにされている。(c)AFP/Robin Millard