【9月11日 AFP】10日にチェコの首都プラハ(Prague)を訪問したチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世の英語の辞書には、「ポリティカル・コレクトネス(差別や偏見を含んだ表現を用いないこと)」という語はないらしい。

 11日の会議でアジアの人権に関するスピーチを行うために同地を訪れたダライ・ラマは、記者団からの「ポリティカル・コレクトネスについてどう思うか」という質問に面食らった様子を見せた。

 ダライ・ラマは、目をぱちくりさせながら「それって何ですか?」と返した。これには一同爆笑し、質問した記者が詳しく説明したが、ダライ・ラマはまだ飲み込めない様子。頭を横に振りながらアシスタントの方を向いて「どういう意味?」と助けを求めた。

 ひとしきりの説明のあと、ダライ・ラマは背筋を伸ばし、まだ理解できないといった表情で話し出した。「わかりません・・・わたしはいつもオープンにものを言いますから。背が低い人については低いと表現しますし、背がとても高い人についてはとても高いと言います」

「こうした表現が悪い気を起こさせるのなら、もちろん言えませんが。でもとにかく、ブラックはブラック、ホワイトはホワイト、イエローはイエローなんです。それだけの話です」(c)AFP