【9月8日 AFP】女性で初めての世界8000メートル峰14座の制覇に残り2座まで近づいたスペインの登山家エドゥルネ・パサバン(Edurne Pasaban)さん(36)は7日、韓国の登山家でライバルの呉銀善(Oh Eun-Sun)さんが「女性初」の14座制覇の栄冠を勝ち取るだろうと話した。

 マドリード(Madrid)で記者会見を開いたパサバンさんは、「彼女は残るはアンナプルナ(Annapurna)のみで、今月中に登頂するだろう。つまり8000メートル峰14座を制覇した女性の一番乗りを果たすだろう」と話した。

 パサバンさんはこの数時間後、チベット(Tibet)に向けて飛び立った。これまでに3度失敗したシシャパンマ(Shisha Pangma、8046メートル)に来月にも挑む予定だ。14座目となるアンナプルナの制覇は来春になる見込みだという。

「シシャパンマとアンナプルナを立て続けに登ることで命の危険を冒したくはない。14座の制覇を達成できなくなるよりは、2番目になっても3番目になっても、達成する方を望みます」(パサバンさん)

 呉さんは、今年1年間だけで4座を制覇し、残るは1座となった。こうした驚異的なパフォーマンスについて、パサバンさんは「非常に強力なパックアップ体制がとられていること」を挙げた。

 同じく8000メートル峰14座の女性初制覇を狙っていた韓国の登山家コ・ミヨン(Go Mi-Young)さんは今年7月、ナンガパルバット(Nanga Parbat、8126メートル)を制覇したあとの下山中に遭難し、死亡している。

 人類で初めて8000メートル峰14座を制覇したのはイタリアの登山家ラインホルト・メスナー(Reinhold Messner)氏で、1986年のことだった。(c)AFP