【8月29日 AFP】オランダのアムステルダム国立美術館(Rijksmuseum)は、同美術館が収蔵している「月の石」が、実は樹木の化石だったことが分かったと発表した。

 石はマッチ箱ほどの大きさで、ウィリアム・ミッデンドーフ(William Middendorf)駐オランダ米大使が1969年に、同年7月10日に人類初の月面着陸を果たした米国人宇宙飛行士ら3人からの贈り物として、元首相のウィレム・ドレース(Willem Drees)氏に贈った。

 アムステルダム国立美術館の館内誌編集長、Xandra van Gelder氏は、宇宙関連の専門家らの指摘を受けて調査したところ、実際の価値が「50ユーロ以下」だったことが判明したと述べた。石を受け取った時点で10万フローリン(5万ユーロ、約670万円)の保険をかけていたという。

 また、Gelder編集長は、「首相を退任してから11年経つドレース氏に『石』が贈られたことも奇妙だ」と述べた。米航空宇宙局(NASA)はこれまでに、この「月の石」の破片を複数の国にプレゼントしている。

 アムステルダム国立美術館は、レンブラント(Rembrandt)の絵画を多く収蔵していることで知られる世界有数の美術館。(c)AFP