【8月26日 AFP】ぬれた床に、次のような立て看板が――「Slip Carefully(注意して滑ってください)」。2010年に上海万博(Shanghai World Expo)をひかえた上海当局は、このような誤訳を一掃するためのガイドブックを今週発表した。

 隣接した江蘇(Jiangsu)省、浙江(Zhejiang)省とともに作成された全20ページのガイドブックは、誤った英訳を街から排除するために、標識の英語表記などを統一することを目指したものだ。上海市内の各大学の言語学者や専門家が、約400例について正しい表記を紹介している。

 市当局はまた、報道各社に対し、思わず笑いを誘うような誤訳を紹介するよう呼びかけている。

 その例を挙げよう。上海市のブログによると、上海の象徴とも言うべき東方明珠塔(Oriental Pearl Tower)に訪れた人は次のような警告を目にすることになる。「Ragamuffin, drunken people and psychotics are forbidden to enter(路上生活の子ども、酔っぱらい、精神障害者は入場お断り)」

 25日の東方早報(Oriental Morning Post)紙には、1枚の中華料理屋の写真が掲載された。店の看板には「飯館(レストラン)」とあるが、英語名はなんと「Translate server error(翻訳サーバーエラー)」。おそらく店名の英訳を考えようと開いたオンラインの翻訳サイトに障害があったのだろう。

 北京(Beijing)市も前年、北京五輪の前に同様のキャンペーンを展開したが、標示の誤訳が多すぎ、しまいには五輪会場付近の、危険と思われる標示に限定せざるをえなかった。(c)AFP