【8月23日 AFP】フランス東部の村ダンヌマリー(Dannemarie)で、観光で訪れた若い英国人女性が、ホテルと間違って迷い込んだ村役場でトイレに鍵をかけられたまま、孤独な一夜を明かした。23日村長が語った。

 この30代の女性はひとりで旅行中で、21日の夜に村役場の建物に迷い込んだ。外には「オテル・ド・ヴィル(Hotel de Ville)」とあり、英語に直訳すれば「町のホテル」と読めるが、フランス語では単に自治体の役所を意味していた。

 人口2500人のダンヌマリーの村長によると、「その晩は地元の団体のスタッフによる会議があり、彼らは帰るときにバスルームから物音がするのを聞いたが、なにも思わずにそのまま鍵をかけて建物から出てしまった」

 自分の間違いに気づいた観光客女性は、誰かの注意を引こうと電灯をつけっぱなしにしたが、効果はなかった。

 彼女は役場の扉の内側につたないフランス語で「2009年8月22日、わたしはここ(トイレ)で鍵をかけてます。ドア、開きますか」と、SOSメッセージを残し、入口ロビーのいすの上で丸くなって寝た。

 翌朝、村の薬剤師が外からメッセージを発見し、この不運な観光客を解放した。彼女は「オテル・ド・ヴィル」の看板を見て、ホテルか公営の宿泊所だと思ったという。

 村長は「彼女に本当のホテルがないかと聞かれ、教えたところに彼女は行ったが、非常に落ち込んでいた」と語った。村長は、ダンヌマリー役場の看板を英語とドイツ語でも表示することを検討中だという。(c)AFP