【8月13日 AFP】パリ(Paris)のセーヌ(Seine)川に、100年ぶりにサケが戻ってきた――。研究者によると、多数のサケが、エッフェル塔(Eiffel Tower)の前を泳ぎ、ノートルダム大聖堂(Notre-Dame Cathedral)の前を通過したという。

 放流などの取り組みが行われていないにも関わらず、ダム建設や水質汚染で姿を消していたサケなど魚が戻ってきたという点が注目されている。魚たちは自力で戻ってきたのだ。

 仏全国釣り連盟(National Federation for Fishing)幹部のベルナール・ブルトン(Bernard Breton)氏は、AFPの電話取材に対し「セーヌ川を上る魚がどんどん増えている」「今年、魚の数が想像を超えて増加した。1000匹以上いても驚かない」と語った。

 セーヌ川に戻ってきたのはサケだけでない。

 1995年には、セーヌ川にはウナギなどわずか4種の魚しかいなかった。また、これら4種のうち少なくとも1種は外来魚だった。パリ浄水施設当局によると、現在、セーヌ川には少なくとも32種の魚がいるという。この数年で、サケのほかにヤツメウナギ、マス、シャッドなども戻ってきた。

 魚たちが戻ってきた理由について、科学者は、単純に水質がきれいになったからだと述べる。新たな浄化施設の設置など、過去15年間に大規模な水質改善の取り組みが実施されてきた。その結果、セーヌ川の汚染物質の大半が除去されたという。(c)AFP/Emmanuel Angleys