【8月10日 AFP】サウジアラビア当局は9日、改革派の王子が所有し、拠点はレバノンに置くテレビ局、レバノン放送(LBC)の番組にサウジアラビア人男性が出演し、自分の性体験を赤裸々に語ったことを理由に、同テレビ局のサウジアラビア支社を閉鎖したと発表した。

 情報省報道官によると、ナエフ・ビン・アブドルアジズ(Nayef bin Abdul Aziz)副首相の命でLBCの支社が8日、閉鎖された。サウジアラビアの商都ジッダ(Jeddah)のオフィスは出入りできない状態になっていた。

 報道官は閉鎖の原因について、きわどい内容で知られる『ボールド・レッド・ライン(Bold Red Line)』というトークショーの7月放映分に、ジッダ在住のサウジアラビア人男性が出演し、自由奔放な性生活や「大人のおもちゃ」の使用をあけすけに語ったことだと述べた。
 
 この内容にサウジ国内の保守派から怒りが殺到、出演した男性とその友人2人は前週、逮捕される事態に発展した。

 自分の性体験を語ったのは、サウジアラビア航空(Saudi Arabian Airlines)に勤務する30代の男性。14歳のときの近所の女性との初体験や、性玩具の使い方、携帯電話のBluetoothの機能を使って女性を引っかける方法などを語った。

 男性は一件が問題化した後にインタビューを受け、謝罪を表明し、LBCのプロデューサーが放映の際には顔が分からないようにすると言った約束を破ったとLBC側を非難してもいた。

 警察は現在、男性の行為が何の罪にあたるか調査している。サウジアラビアはイスラム法(シャリア、Sharia)の厳格な適用を実施している。

 LBCの電波はサウジアラビア国内で受信でき、ジッダ支社閉鎖によって、ただちにサウジアラビアで同局の番組視聴が不可能になることはない。LBCはリベラルな言論で有名な、サウジアラビアのアルワリード・ビン・タラール(Alwaleed Bin Talal)王子が所有している。(c)AFP/Paul Handley