【7月26日 AFP】第1次大戦を戦った最後の元英陸軍兵、ハリー・パッチ(Harry Patch)さんが25日、死去した。111歳だった。パッチさんの訃報を受けた英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II)は弔意を表した。

 英メディアから「Last Tommy(最後の英国兵士)」とのあだ名で呼ばれていたパッチさんは、18日にヘンリー・アリンガム(Henry Allingham)さんが113歳で亡くなった後、英国で最高齢の男性でもあった。

 1917年、50万人の兵士が命を落としたと推定されている激戦「パッシェンデール(Passchendaele)の戦い」に19歳で参加。長い間戦争について語ることはなかったが、100歳になって初めて戦時中の経験について語った際、戦争を「組織化された殺人行為」と呼び、暴力に対して激しく反対する姿勢を示した。

「1人の人間が戦争で命を落とすことは意味がない。ましてや数百万人が命を落とすのはもっと意味がないことだ」とパッチさんは話した。「両方の側で戦死者がいたことを忘れないようにするのが大切だ。ドイツ人たちもわれわれと同じように苦しんでいた」

 第1次大戦で戦った英国出身の退役軍人の中で生存しているのは、オーストラリアのパース(Perth)在住の元海軍兵、クロード・チョールズ(Claude Choules)さん(108)だけになった。(c)AFP