【7月23日 AFP】アジア各地で皆既日食が観測された22日、インド・ハイデラバード(Hyderabad)のインダス川(Indus River)の河原で、体の一部が麻痺(まひ)したわが子を首まで泥の中に埋める親たちの光景が見られた。

 この親たちはパキスタン人。パキスタン南部シンド(Sindh)州では、日食が様々な病気を抱えた人々に特別な治療をしてくれると信じられているのだ。

 ハイデラバード(Hyderabad)南部の川岸では、少女2人と少年1人が90分間、首まで埋められた。傍らでは宗教指導者アリフ・シャー(Arif Shah)師がコーランを朗読した。

   「日食の時はいつも、ハイデラバードに来て治療を手伝っている。日食の間、アラーは障害のある人々のまひした部位に力を授け、必ず癒してくださる」とシャー師。

 左半身付随の4歳の娘を埋めた父親は、娘の体の状態が改善すると大きな希望を抱いていると話した。「完全に治らなくても構わないんだ。ある程度回復してくれれば、それで十分幸せだ」

 シンド州の精神科医、シェイド・ワシフ(Syed Ali Wasif)氏は、「我々の社会は神話を信じている。(泥に埋めるなどの)手法は、神話に基づいたもので、医学とは関係ない」と語った。(c)AFP