【7月19日 AFP】22日に今世紀で最も長時間の皆既日食が観測できる中国東部で、観光人気が一気に高まっている。

 中国国内で今回の皆既日食に適した場所は成都(Chengdu)、重慶(Chongqing)、浙江(Zhejiang)省の杭州(Hangzhou)、上海(Shanghai )などで、皆既日食が約6分間続くとされている。

 金融危機と新型インフルエンザの流行で国内旅行市場は縮小しつつあるが、ここへきて世界各地から、日食観測を目的とした観光に熱い視線が注がれている。同国の旅行代理店、公園管理団体、ホテルは申し込みへの対応に追われている。

「例年なら今の時期、海外からの旅行者は少ないが、今年は驚くほど多い」と杭州の旅行代理店「China Travel Service」で副店長を務めるZhi Chenyanさんは話す。同代理店では7月に入って欧米からの旅行者を600人近く扱っている。これほどの人数の旅行者を扱ったことはこれまでなかったという。

 日食観測に最も適しているとされる上海の彫刻公園(Shanghai Sculpture Park)では、22日分の入場チケットが2000枚以上売れ、問い合わせも殺到している。また、長江(揚子江、Yangtze River)デルタ地域にある各ホテルが日食観光客向けのパッケージプランを設定したところ、どこも満室状態になっているという。

 前回中国で日食が観測されたのは2008年8月。この時は中国北西部の遠隔地で皆既日食が観測された。次に皆既日食が起きるのは2010年7月11日だが、南太平洋のフランス領ポリネシアやイースター島(Easter Island )から南米大陸南端にかけての地域でないと見えないため、観測できる人は少ないとみられている。(c)AFP