【7月16日 AFP】アイルランド南西部の観光名所キラーニー国立公園(Killarney National Park)から馬ふんを受ける「おむつ」をつけていない馬車が追放されることになった。環境・遺産・地方自治省傘下の国立公園および野生生物を管理するNational Parks and Wildlife ServiceNPWS)が14日、明らかにした。

 同公園の15キロにわたる園内道路には「ジャーベイ」と呼ばれる伝統的な軽装二輪馬車約66台が行き来し、観光客を運んでいる。

 NPWSは「多くの馬車が行き交い、道路が常に馬ふんで埋め尽くされるという不幸な結果に陥った。環境、健康、安全、美観、観光の各観点から、長い間懸念されてきた」としている。

 年間100万人を超える来場者からは、馬ふんについての苦情が殺到していたという。

 何年にもわたり、キラーニー地域では「馬ふん受け」を取り入れる数多くの試みが行われてきたが、ジャーベイの運転手たちは、馬ふん受けをつけることで馬車と馬のバランスが崩れるとして拒否、いずれも失敗に終わっていた。

 NPWSは「馬ふん受けは馬ではなく馬車につけるもの。新しい馬ふん受けが提案されるたび、運転手たちは真っ向から反対するものの、何が問題なのかを明確に指摘したことはなかった」と主張。「対立は避けたい」としながらも、「最終手段」としてジャーベイの通行を禁止せざるを得なかったことを強調した。(c)AFP