【7月14日 AFP】ネパール新政権は13日、最下層民「ダリット(Dalit)」への差別対策として、異なるカースト間の新婚カップルに10万ルピー(約12万円)を給付すると発表した。

 Surendra Pandey財務相は、この日の議会で、違うカースト出身者同士の結婚は現在でも冷ややかな目で見られており、そうしたカップルは10万ルピーを給付されることで、結婚生活を少しでも楽に始められるだろうと話した。

 全人口の約13%を占めているダリットに対する差別は1960年代に法律で禁止されたが、「不可触民」の伝統は特に地方で根強く残っており、そうした場所ではダリットが寺院に入ることや共同の井戸から水を飲むことなどが禁止されている。

 ダリットに属するある活動家は、今回の政策を歓迎する一方で、夫が10万ルピーを受け取ったあとで妻を捨てるといったような悪用を防ぐ努力も政府に求めている。

■未亡人対策も

 Pandey財務相は、ネパール社会では疎外されることの多い未亡人の救済策も発表した。妻が再婚という新婚カップルには5万ルピー(約6万円)の補助金を支給するという。(c)AFP