【7月14日 AFP】昨年引退した豪華客船クイーン・エリザベス2世(Queen Elizabeth IIQE2)号を所有するアラブ首長国連邦(UAE)ドバイ(Dubai)の不動産大手ナキール(Nakheel)は12日、同船がドバイ以外の港で高級ホテルとしてオープンする可能性があることを明らかにした。

 ナキールは、QE2を改装後、ドバイの巨大リゾート人工島「パーム・ジュメイラ(Palm Jumeirah)」で高級ホテルとしてオープンさせる予定だったが、今回、改装前にホテルとして利用する計画だと発表した。また、ドバイ以外の中東やアフリカの港もQE2のホテル化に興味を示していることも明かした。

 QE2は昨年11月、最後の航海を終えドバイに到着した。当時ナキールは3年以内に高級ホテルに改装することを予定していた。

 南アフリカのメディアは先週、ナキールの親会社ドバイ・ワールド(Dubai World)がQE2を同国のケープタウン(Cape Town)港に移動させホテルとして停泊させることを検討していると報じた。

 ドバイ・ワールドは2007年、UAEのドバイを始めとする首長国の経済が急成長していたときに米キュナード(Cunard)から5000万ポンド(約75億円)でQE2を購入した。

 その後、世界規模の金融危機に大打撃を受けたドバイの経済成長は行き詰まり、政府が負債を抱えたナキールを支援することになった。

 そのナキールは昨年11月、QE2を引き渡された直後に従業員の15%に当たる500人を削減し、最近ではさらに400人を削減すると報道されている。(c)AFP