加熱する日本の「婚活」、その実態は?
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【7月13日 AFP】ある6月の夜、都内の華麗な白亜のギリシャ風外観を誇る結婚式場のホールにドレスアップした若い男女100人あまりが集っていた。カクテルグラスを手に周囲を見渡す目つきは真剣そのもの。彼らの目的は、生涯の伴侶を見つけることだ。
恋愛・結婚相手紹介サイト「マッチ・ドットコム(Match.com)」が主催した独身男女向けのパーティーに特別ゲストとして招かれた米国の人類学者、ヘレン・フィッシャー(Helen Fisher)氏は、「すぐに決断せずに、多くの会話を通じて、相手をよく知ることが大切」と若者たちにアドバイスする。
このところ日本の20-40代の男女の間で「婚活」と呼ばれる結婚相手探しが過熱している。今年に入ってから、メディアで「婚活」の文字を目にしない日はないほどだ。「婚活」に走る男性が主人公のドラマが放映され、「婚活成就祈願」をうたう神社や、札幌ドームに設けられた未婚の男女を対象とした「KONKATSUシート」も好評を博している。
結婚支援策として、独身男女向けに水族館やレストランを訪れるツアーを企画している区もある。
5月には「婚活ブラ」も売り出された。このブラジャーには、結婚目標日までの時間をカウントする「時計」が埋め込まれ、「婚活」を達成した曉に婚約指輪を入れるポケットもついている。
■結婚相手探しサイトも盛況
プライベートを犠牲にして会社に尽くすという働き方や少子化が取りざたされる日本だが、こうした傾向は変わりつつあるのかもしれない。「マッチ・ドットコム」によると、3月時点で日本での登録会員数は約100万人。米国に次いで世界で2番目に多いという。
「マッチ・ドットコム」のパーティーに参加した27歳の会社員は「出会いのシステムとして気に入っている」と話す。「知り合いがいるところではなかなか女性に近づけない」
パーティの参加者枠100人に対し、約300人から申し込みがあり、そのほとんどは男性だったという。
「婚活」が、これほど盛り上がりをみせている理由について、長引く不況のなかで、若い女性が仕事よりも結婚に経済的安定を求める傾向を指摘する専門家も少なくない。
■背景には不況も
「20代女性の多くは、安定した収入のある男性を求めている」と、「婚活・恋愛予備校」サイトを運営するPiF(Pay It Forward)の板東登根子(Toneko Bando)代表はいう。いまや「婚活」のさらに先をいく「産活」(出産に向けた活動)もあるそうだ。
現在、日本女性の合計特殊出生率は1.37。このまま少子化が続けば、日本の人口は2055年までに30%減少するとの予測もあり、政府も「婚活」を支援している。
一方、日本人の結婚率は、30-34歳の男性が1975年の85%から2005年に51%、同年代女性では90%から63%に激減している。
日本青年館・結婚相談所の専門相談員、板本洋子(Yoko Itamoto)氏によると、最近では結婚相手探しに、専門家の支援を求める傾向が高まっているという。現在、日本には約4000社が結婚紹介ビジネスを手がけており、のべ登録者数は62万人に上る。また農村地区を中心に、約半数の自治体が結婚支援対策を行っているという。
しかし、成婚率はわずか8%にすぎない。
その理由について、板本氏は若者のコミュニケーション力の低さをあげる。「婚活は悪いことではないが、それ以前に、危機的な結婚率低下を招いた原因を探るのが先決ではないか」と板本氏は指摘している。(c)AFP/Harumi Ozawa
恋愛・結婚相手紹介サイト「マッチ・ドットコム(Match.com)」が主催した独身男女向けのパーティーに特別ゲストとして招かれた米国の人類学者、ヘレン・フィッシャー(Helen Fisher)氏は、「すぐに決断せずに、多くの会話を通じて、相手をよく知ることが大切」と若者たちにアドバイスする。
このところ日本の20-40代の男女の間で「婚活」と呼ばれる結婚相手探しが過熱している。今年に入ってから、メディアで「婚活」の文字を目にしない日はないほどだ。「婚活」に走る男性が主人公のドラマが放映され、「婚活成就祈願」をうたう神社や、札幌ドームに設けられた未婚の男女を対象とした「KONKATSUシート」も好評を博している。
結婚支援策として、独身男女向けに水族館やレストランを訪れるツアーを企画している区もある。
5月には「婚活ブラ」も売り出された。このブラジャーには、結婚目標日までの時間をカウントする「時計」が埋め込まれ、「婚活」を達成した曉に婚約指輪を入れるポケットもついている。
■結婚相手探しサイトも盛況
プライベートを犠牲にして会社に尽くすという働き方や少子化が取りざたされる日本だが、こうした傾向は変わりつつあるのかもしれない。「マッチ・ドットコム」によると、3月時点で日本での登録会員数は約100万人。米国に次いで世界で2番目に多いという。
「マッチ・ドットコム」のパーティーに参加した27歳の会社員は「出会いのシステムとして気に入っている」と話す。「知り合いがいるところではなかなか女性に近づけない」
パーティの参加者枠100人に対し、約300人から申し込みがあり、そのほとんどは男性だったという。
「婚活」が、これほど盛り上がりをみせている理由について、長引く不況のなかで、若い女性が仕事よりも結婚に経済的安定を求める傾向を指摘する専門家も少なくない。
■背景には不況も
「20代女性の多くは、安定した収入のある男性を求めている」と、「婚活・恋愛予備校」サイトを運営するPiF(Pay It Forward)の板東登根子(Toneko Bando)代表はいう。いまや「婚活」のさらに先をいく「産活」(出産に向けた活動)もあるそうだ。
現在、日本女性の合計特殊出生率は1.37。このまま少子化が続けば、日本の人口は2055年までに30%減少するとの予測もあり、政府も「婚活」を支援している。
一方、日本人の結婚率は、30-34歳の男性が1975年の85%から2005年に51%、同年代女性では90%から63%に激減している。
日本青年館・結婚相談所の専門相談員、板本洋子(Yoko Itamoto)氏によると、最近では結婚相手探しに、専門家の支援を求める傾向が高まっているという。現在、日本には約4000社が結婚紹介ビジネスを手がけており、のべ登録者数は62万人に上る。また農村地区を中心に、約半数の自治体が結婚支援対策を行っているという。
しかし、成婚率はわずか8%にすぎない。
その理由について、板本氏は若者のコミュニケーション力の低さをあげる。「婚活は悪いことではないが、それ以前に、危機的な結婚率低下を招いた原因を探るのが先決ではないか」と板本氏は指摘している。(c)AFP/Harumi Ozawa