【6月25日 AFP】オーストラリアのタスマニア(Tasmania)州のケシ畑で、実を食べてしまったワラビーが、アヘンの成分の効果でハイになり、ぐるぐると回りながら飛び回る事件があった。

 ワラビーはカンガルーを小型化したように見える有袋類。このワラビーたちが、タスマニア島南部にある医療用のケシを栽培する畑に入り込み、アヘンとなる成分を含む実の部分をかじってしまった。

 25日の地元メディアによると、州議会の予算に関する公聴会で報告したララ・ギディングス(Lara Giddings)州司法長官は「ワラビーたちが畑のなかで酔ってしまって問題となっている。輪になって飛び回ったかと思うと倒れ込む。ワラビーが跳ねた痕がミステリーサークルのように残っている」と訴えた。

 タスマニア島は医療市場向けに合法的にケシを栽培しており、その生産高としては世界最大。500戸の農家が栽培を行っており、収穫された半分がモルヒネの原料として、残る半分がその他のアヘン剤の製造用に供給されている。

 タスマニアのケシ業界の広報担当リック・ロックリフ(Rick Rockliff)氏によると、ワラビー以外にもケシの実を食べた家畜や、シカやヒツジなどの動物が「おかしな行動」をとっているという。「ケシの実を食べたヒツジが、やはり輪になって歩いていたという話はたくさんある」(c)AFP