【6月16日 AFP】パリ(Paris)のポンピドー・センター(Pompidou Centre)やマドリード(Madrid)のバラハス国際空港(Barajas Airport)などを設計した建築家リチャード・ロジャース(Richard Rogers)氏が16日、ロンドン(London)で計画していた新プロジェクトを中止に追い込んだチャールズ皇太子(Prince Charles)の干渉を、「完全な違憲行為」だと非難した。

 ロジャース氏はガーディアン(Guardian)紙に対し、ロンドンの大きな発展となり得たプロジェクトを、皇太子が「1人でぶち壊した」と怒りをあらわにした。

 ロジャース氏はロンドン・チェルシー(Chelsea)地区の兵舎跡地に、カタールの不動産会社Qatari Diarの計画でガラスと鉄鋼を用いたビルを設計する予定だった。しかし、同社は前週、プロジェクトから撤退。現在は、新たな計画を練っている。

 現代建築に批判的であることで知られる皇太子はQatari Diar社の会長に、プロジェクトに反対する自分の考えを示し代替案を要請する書簡を送ったとされる。

 ロジャース氏は「これは完全な違憲行為であり、ニ度とあってはならない」と語り、建築のみならず医学、農業、環境分野における皇太子の干渉の合憲性に関し、公的調査を求めた。

 皇太子の現代建築に対する批判的な態度は、これまでにも物議を醸してきた。特に25年前、ロンドン国立美術館(National Gallery, London)の増築計画を「目ざわり」だと強く非難したことはよく知られている。

 皇太子の報道官はガーディアン紙に対し、「ロジャース氏と口論はしたくない」としてコメントは避けた。(c)AFP