【6月3日 AFP】自殺が多いことで知られる英国南部の断崖で、息子の病死を苦にした夫婦が飛び降り自殺した。夫婦の背負っていたリュックサックには息子の遺体が入っていた。警察当局が2日明らかにした。

 沿岸警備当局は1日、イングランド南海岸イーストボーン(Eastbourne)近くのビーチーヘッド(Beachy Head)の断崖下で3人の遺体を発見した。ビーチーヘッドは自殺の名所として知られる約122メートルの断崖。

 自殺したのはイングランド南西部ウェストバリー(Westbury)に暮らすニール・パティック(Neil Puttick)さん(34)と日本人の妻カズミ(Kazumi)さん(44)。夫妻の遺体のそばにあったリュックサックから5歳の男の子の遺体が見つかった。別に見つかったリュックサックにはぬいぐるみが入っていた。

 警察当局は、夫妻は息子の死に耐えられず、自殺したとの見方を示している。

 医療関係者によると、肺炎球菌髄膜炎という重病の治療を受けていた。回復の見込みがないとして、自宅での静かな死を望む両親の希望で前月29日に退院し、男の子はその同日夜に亡くなった。(c)AFP