【5月28日 AFP】ニュージーランドで金属の棒で警官をおどして逮捕された後に逃亡していた容疑者が27日、ついに逮捕され、105日におよぶ逃亡劇は幕を閉じた。ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)大手フェースブック(Facebook)には容疑者のファンサイトが登場し、歌やTシャツまで生まれるという社会現象になっていた。

 ウィリアム・スチュアート(William Stewart)容疑者(47)の逃走劇は2月10日、金属の棒で警官をおどした容疑で拘束された後に逃亡したところから始まった。

 スチュアート容疑者はニュージーランド南島のカンタベリー(Canterbury)地方の農村部で27日早朝、農家の車両を盗もうとしているところを持ち主に見つかった。警察官が現場に急行し、スチュアート容疑者を拘束した。3か月を超える逃亡生活の末、スチュアート容疑者は長髪になり、ひげも伸び放題になっていたという。

 スチュアート容疑者の逃亡劇は多くの支持者を生み、フェースブックには容疑者のニュージーランド南島での足取りを追うファンサイトが誕生した。

 ある男性はスチュアート容疑者の逃亡劇に触発されて、同容疑者をたたえる歌『Billy the Hunted One(追われる者ビリー)』を作曲した。「追われる者ビリー」というのは、スチュアート容疑者が食べ物を盗んだとされる場所で、机に彫り残した感謝状に書いた言葉だという。

 また、カンタベリー地方の別の男性は「Where's Billy?(ビリーはどこ?)」とプリントされたTシャツをインターネットで販売している。

 警察当局はスチュアート容疑者をたたえる行動にいらだっているとし、同容疑者が犯罪を繰り返している覚せい剤使用者だと説明した。

 逮捕されたスチュアート容疑者は抵抗もせず安心した様子で、「俺の逃亡劇は大人気だったよ」と語ったという。(c)AFP