【4月12日 AFP】サウジアラビアの日刊紙アルワタン(Al-Watan)は12日、ローマ字に変換した際に不快な言葉を意味するアラビア文字を自動車のナンバープレートに使用することを、当局が禁止したと伝えた。禁止されたつづりの中には、「USA」も含まれているという。

 通常のサウジアラビアのナンバープレートは、アラビア文字3文字と数字3文字が記載される。しかし、サウジアラビアでは近年、ナンバープレートにアルファベットも併記することが流行しており、中には自ら文字指定したナンバープレート「バニティプレート」を使用して、ローマ字表記した際に「SEX」や「ASS」や「NUT」になるようなアラビア文字をわざわざ選ぶ人もいるのだという。

 アルワタン紙によると、ナンバープレート発行当局は、3文字の文字列を9つリストアップし、全支局に対し、それらの文字列を含むナンバープレートの更新を中止するよう指示したという。

 禁止される文字列は、ほかに「BUT」や「BAD」、「BAR」など。「BAR」が禁止されるのは、保守的なイスラム教国であるサウジアラビアで禁止されているアルコールを連想させるからとみられる。

 しかし、禁止文字列リストの冒頭に、一切の説明なく挙げられているのは、「USA」の文字列である。

 アルワタン紙によると、これらの文字列を含むナンバープレート約9万枚が、交換されることになるという。

 バニティプレートは、サウジアラビアの富裕層の若者たちの間でオシャレなものとみなされており、特別な文字列のナンバープレートのオークションでは、最高で600万リヤル(約1億6000万円)の値がついた。(c)AFP