【4月10日 AFP】(一部訂正)男児を好んで産む傾向がある中国では、女児より男児のほうが3200万人多く男女不均衡が今後数十年間続くことが予測されるとの調査報告が、10日の英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical JournalBMJ)」電子版に掲載された。

「この問題には思い切った対策がいくつか提案されているが、どのような対策をとっても男性過多の世代が間もなく登場するのを防ぐことはできない」と、報告は指摘している。

 ほとんどの国では、女性の数より男性の数がわずかに上回り、男女性別比は103-107程度(女性を100とした場合)になるのが普通だ。

 ところが中国やアジアのいくつかの国では、男女性別比が大幅に不均衡となっている。伝統的に男児が好まれている上、安価な超音波検査で出産前に性別が分かり中絶が可能であることから、男女産み分けに拍車がかかっているためだ。とりわけ、一人っ子政策が徹底していた地方や地方都市では男女比不均衡の傾向が顕著にみられる。

 2000年以降、中国政府はこの不均衡の緩和に乗り出し、女児の必要性を訴えるキャンペーンを展開したほか、相続法の改正にも着手している。

 1992年に、第4子の男女性別比が229という驚異的な水準を記録した韓国では政府が対策に乗り出し、啓発キャンペーンを行うとともに男女産み分けに関連する法律の適用を厳格化した。この結果、98年は全体で116だった男女性別比は04年までに110に回復した。ある専門家は中国も韓国と同じ方向性に進む可能性があるとみている。(c)AFP