【3月27日 AFP】英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II)の夫、フィリップ殿下(Prince Philip、87)が、歌手オーディション番組「アメリカン・アイドル(American Idol)」などの人気番組の辛口審査員、サイモン・コーウェル(Simon Cowell)氏を、「(自身は才能がないのに他力本願で潤う)スポンジャー」と評したとの疑惑が持ち上がっている。

 コーウェル氏が今週ゲスト出演した、米国の人気司会者、ジェイ・レノ(Jay Leno)氏がホストを務める米NBCテレビのトーク番組『トゥナイトショー(Tonight Show)』のなかで、明らかにした。

 コーウェル氏は、「アメリカン・アイドル」の基番組、英国の「Pop Idol」や「Britain's Got Talent」、その米国版「America's Got Talent」などのオーディション番組に審査員として出演。歌手志望者らに対する率直な辛口コメントで、一躍、人気者となった。

 そのコーウェル氏が『トゥナイトショー』で語ったところによると、ロンドン(London)で2007年12月に行われた「ロイヤルバラエティショー(Royal Variety Show)」の公演後、フィリップ殿下は出演者との談笑中に、コーウェル氏を「スポンジャー」と呼んだという。「殿下はぼくに非礼な態度をとりたかったんだろうね。そのまま、ぶつぶつ言いながら歩き去っていったよ」

 コーウェル氏は、さらに「エリザベス女王にも挨拶をしたが、無視された」と語った。「殿下には『他力本願男』呼ばわりされ、女王には無視されるし、散々だよ」

 これに対し、英王室広報はフィリップ殿下がコーウェル氏を「スポンジャー」と呼んだ事実はなく、そのような必要性もないと、コーウェル氏のコメントを否定。「フィリップ殿下は、非常にソフトな声で話すため、コーウェル氏が聞き間違えたのではないか」との声明を発表した。また、エリザベス女王についてのコメントについても、「女王陛下が人を無視することはない」と言明している。

 一方、フィリップ殿下は失言癖があることで有名。

 2002年のオーストラリア訪問時には、先住民アボリジニに「今でも、やり投げをしているのかね」と話しかけ、1994年に英領ケイマン諸島(Cayman Islands)を訪問した際には、地元住民に「ほとんどの皆さんは、海賊の子孫なんでしょう?」と質問。1986年の中国公式訪問では、英国人学生グループに「ずっとここ(中国)にいたら、目が細くなってしまうよ」などと言っている。(c)AFP