全米50州で50の仕事を体験、ある新卒者の「職」をめぐる物語 米国
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【3月12日 AFP】米国では現在、景気後退が深刻化し、職を見つけるどころか職を維持することさえ難しくなってきている。だが、1人の男性がこの不況からインスピレーションを受け、50週間かけて全米50州で50の仕事を体験するという旅に出た。
南カリフォルニア大学(University of Southern California)経済学部を卒業したDaniel Seddiquiさん(26)は、40社連続で企業の面接試験に落ちた後、50週間で全米50州を巡る旅にでることを思いついた。ただし、各州で何とかして何らかの職に就くということを条件にだ。
「まるで地獄だったよ。大学では時間と努力を惜しまずがんばったが、結果的に何も得ることができなかった。ちょっとイライラしていたんだ。それで、50州で50の仕事をやってやろうと思ったんだ。自分の人生で何がやりたいのか決めるのに役立つしね」
Seddiquiさんはもともと金融機関を志望していたが、この旅では志望とは関係ないような仕事であっても、とにかく可能な限りどんな仕事でも応募した。2000社以上から断られたが、Seddiquiさんは「根気強くやれば報われるものだよ」と強調する。
米国では、1930年代の世界大恐慌以来といわれる不況の影響で、毎日多くの人びとが職を失っている。米政府が先に発表した2月の雇用統計によると、非農業部門の就業者数が65万1000人減少したほか、失業率は25年ぶりの水準となる8.1%に上昇している。
しかし、まだ1つの職種にしぼったわけではないものの、Seddiquiさんがくじけることはない。
「僕を見ればわかるように、チャンスに賭けて新しいことに取り組むのならば、仕事はみつかるさ」
Seddiquiさんは前年9月に、ユタ(Utah)州ソルトレークシティ(Salt Lake City)を起点に、自動車での旅をスタートさせた。ソルトレークシティでは、モルモン(Mormon)教関連施設で働いた。その後に向かったコロラド(Colorado)州では水文学者の仕事、次のサウスダコタ(South Dakota)州ではカウボーイの衣装を着てロデオ・アナウンサーになった。
Seddiquiさんは、その州に関連した仕事に就くようにしていたという。
「テキサス(Texas)州といえば石油や天然ガスだから、僕は石油技師の仕事に就いた。デトロイト(Detroit)にいた時は自動車産業で働いたし、シカゴ(Chicago)の時は鉄道関係の仕事をした。シカゴといえば鉄道は避けては通れないからね」
Seddiquiさんは、仕事が決まったら事前に入念に準備をするとと同時に、滞在先を探す。滞在先のほとんどが、雇用主や同僚の家だ。「あらゆる種類の人びとにお世話になったよ。カウボーイからインド系、アラブ系、白人の肉体労働者、ほぼすべての人だといえるね」
Seddiquiさんは、この旅行に関するドキュメンタリー制作や本の出版を検討しているが、就職に悩む学生たちには次のようにアドバイスする
「人脈を作り、旅行することを勧めるよ。何にでも挑戦することだ。特に新卒だったりしたら、今はえり好みなんてなかなかできないからね。大変だとは思うけど、最初から希望の職に就けるわけではないからね。まずは自分にとって居心地がいい状態から1歩踏み出すことだよ」
(c)AFP/Olivia Hampton
南カリフォルニア大学(University of Southern California)経済学部を卒業したDaniel Seddiquiさん(26)は、40社連続で企業の面接試験に落ちた後、50週間で全米50州を巡る旅にでることを思いついた。ただし、各州で何とかして何らかの職に就くということを条件にだ。
「まるで地獄だったよ。大学では時間と努力を惜しまずがんばったが、結果的に何も得ることができなかった。ちょっとイライラしていたんだ。それで、50州で50の仕事をやってやろうと思ったんだ。自分の人生で何がやりたいのか決めるのに役立つしね」
Seddiquiさんはもともと金融機関を志望していたが、この旅では志望とは関係ないような仕事であっても、とにかく可能な限りどんな仕事でも応募した。2000社以上から断られたが、Seddiquiさんは「根気強くやれば報われるものだよ」と強調する。
米国では、1930年代の世界大恐慌以来といわれる不況の影響で、毎日多くの人びとが職を失っている。米政府が先に発表した2月の雇用統計によると、非農業部門の就業者数が65万1000人減少したほか、失業率は25年ぶりの水準となる8.1%に上昇している。
しかし、まだ1つの職種にしぼったわけではないものの、Seddiquiさんがくじけることはない。
「僕を見ればわかるように、チャンスに賭けて新しいことに取り組むのならば、仕事はみつかるさ」
Seddiquiさんは前年9月に、ユタ(Utah)州ソルトレークシティ(Salt Lake City)を起点に、自動車での旅をスタートさせた。ソルトレークシティでは、モルモン(Mormon)教関連施設で働いた。その後に向かったコロラド(Colorado)州では水文学者の仕事、次のサウスダコタ(South Dakota)州ではカウボーイの衣装を着てロデオ・アナウンサーになった。
Seddiquiさんは、その州に関連した仕事に就くようにしていたという。
「テキサス(Texas)州といえば石油や天然ガスだから、僕は石油技師の仕事に就いた。デトロイト(Detroit)にいた時は自動車産業で働いたし、シカゴ(Chicago)の時は鉄道関係の仕事をした。シカゴといえば鉄道は避けては通れないからね」
Seddiquiさんは、仕事が決まったら事前に入念に準備をするとと同時に、滞在先を探す。滞在先のほとんどが、雇用主や同僚の家だ。「あらゆる種類の人びとにお世話になったよ。カウボーイからインド系、アラブ系、白人の肉体労働者、ほぼすべての人だといえるね」
Seddiquiさんは、この旅行に関するドキュメンタリー制作や本の出版を検討しているが、就職に悩む学生たちには次のようにアドバイスする
「人脈を作り、旅行することを勧めるよ。何にでも挑戦することだ。特に新卒だったりしたら、今はえり好みなんてなかなかできないからね。大変だとは思うけど、最初から希望の職に就けるわけではないからね。まずは自分にとって居心地がいい状態から1歩踏み出すことだよ」
(c)AFP/Olivia Hampton