【3月10日 AFP】新大陸を発見したクリストファー・コロンブス(Christopher Columbus)の本名はペドロ・スコット(Pedro Scotto)だった――。8日付けのスペイン紙ABCで、同国の歴史家が発表した。

 この説を唱えるのは、アルフォンソ・エンセナット・デ・ビリャロンガ(Alfonso Ensenat de Villalonga)氏。同氏は、イタリア・ジェノバ(Genoa)の職工の息子、スペインのカタルーニャ(Catalonia)地方又はガリシア(Galicia)地方の出身、コルシカ島かポルトガルの血筋を引いているという、一般的に知られているコロンブスの出自に異論を唱えた。

 同氏は、コロンブスはジェノバの出身だが、職工ではなく商人の息子で、クリストファーではなくペドロという名前であり、さらに姓はスコットで、イタリアではなくスコットランド人の子孫だと論じた。

   「彼の目の色は明るく、そばかすがあった。髪の毛はすぐに白くなったが元は金髪だった。彼と同時代に生きた人々はこんな風に彼のことを表現している。従来のイメージとはほど遠い。つまり、作り上げられたイメージだったんだ」

 ビリャドンガ氏はさらに、当時の学者Lucio Marineo Siculoがコロンブスをペドロ・コロンブスと表記していることを引証。そのほか、コロンブスはかつて ビンチェンゾ・コロンブス(Vincenzo Columbus)という海賊の下で働き、本来の出自が分からないようにコロンブスに改姓したと主張している。

 ビリャドンガ氏は、ジェノバ地方で保管されている史料と、スペインの国立図書館や学術機関の史料を合わせて研究し、今回の結論に至ったという。(c)AFP