【3月3日 AFP】フランスのレストラン格付けガイドブック「ミシュランガイド(Michelin Guide)」に掲載されたレストランの若きオーナーシェフが2日、ガイド掲載による料理の質やサービス低下への懸念から、同ガイドからの削除を求めていることを明らかにした。

 このシェフは、仏南東部ピレネー山脈(Pyrenees)のふもとにある人気レストラン「オーベルジュ・バスク(Auberge Basque)」を経営するセドリック・ベシャド(Cedric Bechade)氏(32)。

 ベシャド氏は、2009年版ガイドから同レストランを削除するようミシュランの調査員に依頼したが、「ビジネスマン」としてのベシャド氏の希望は尊重されなかったという。

 このためベシャド氏の店は、引き続き一つ星レストランとしてミシュランに掲載されている。しかしベシャド氏は、星を減らせば競争に負けたとみられかねない格付けシステムは、良質の料理を提供するというレストランの仕事と相いれないと考える。「一つ星を維持するのか、それとも、さらに多くの星を目指すのかに気をとられ、われわれは『顧客の幸福』という本質の使命を2か月もないがしろにしてしまった。これは、レストランに深刻な結果をもたらしかねない」

 ベシャド氏は言う。「これまでどおり、『オーベルジュ・バスク』はバスク地方のように、ストレスとは無縁の心地よい、くつろげる場所であるべきなんだ」

「オーベルジュ・バスク」は開店から2年が経った。ベシャド氏は今後もミシュランの星が同店の経営に影響を与えることはないという。「星があろうとなかろうと『オーベルジュ・バスク』へのわたしの考えも、顧客への対応も変わることはないし、値上げもしない」

 ベシャド氏は、超一流仏人シェフ、アラン・デュカス(Alain Ducasse)氏のもとでの修業経験を持つ。(c)AFP


【参考】オーベルジュ・バスクのサイト(仏・英・西・バスク語)