【2月13日 AFP】(一部更新)「カーラ、今ここで、皆の前で、僕の唇にキスをする勇気はあるかい?」ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領がカーラ夫人に初対面で語ったこんな内容が、新しく発売される回顧録で赤裸々に明かされている。

 著者は、2人の出会いをセッティングした仏広告大手の重役、ジャック・セグエラ(Jacques Seguela)氏。セグエラ氏は、セシリア(Cecilia)前夫人と離婚したばかりの大統領を励まそうと、パリ(Paris)の自宅で開いたパーティーに招待した。

 そこに、スーパーモデルから歌手に転身し、ミック・ジャガー(Mick Jagger)やエリック・クラプトン(Eric Clapton)などの有名人と交際歴があるカーラ夫人も招かれていた。7週間後、2人は結婚。フランスに美しいファーストレディーが誕生した。

「ワイルドな2匹のネコの予想だにしなかった恋のゲームはこうして始まった。互いにマーキングをして、相手をからかった。我々は、当時は気付いていなかったが、各紙の一面を騒がすことになる出会いを目撃した」セグエラ氏はこのように、2人の初めての出会いを表現している。

 大統領府はこの本に関するコメントを出していない。しかし、2人の「お見合い」とも言えるこの最初の出会いについては、さまざまな詳細が公にされ、カーラ夫人もメディアで語っている。

 パーティーでパートナーがいない参加者は、この2人だけだった。2人は意気投合し、彼は彼女を車で家まで送り、彼女は彼に電話番号を渡した。

 これらの内容はすでに知られているが、セグエラ氏の著書には、2人を当惑させるようなセンセーショナルな内容も書かれている。

■その日、2人の会話は

「パリのカジノ(Casino)劇場で6月1日に歌うんだろう?ね?もう曲目だって知ってるんだよ。その夜、僕は最前列にいるよ。婚約を発表しようじゃないか。僕らは、マリリンとケネディみたいになるのさ」サルコジ大統領は、ジョン・F・ケネディ(John F. Kennedy)元米大統領と交際のうわさがあったマリリン・モンロー(Marilyn Monroe)を引き合いに出し、隣にいるカーラ夫人にこう宣言したという。

「婚約ですって?あり得ないわ。赤ちゃんでもできない限り、誰とも一緒に暮らすつもりはないわ」こう答えたカーラ夫人に、大統領はさらに迫った。

「赤ちゃん?僕はもう5人育てた。6人目もできるさ。それに関しては、僕はフランスで一番装備が整った男さ――24時間、医者がスタンバイしているからね」

 しかしサルコジ大統領は、常にカメラに囲まれた男との生活は楽ではないことも告げた。するとカーラ夫人は嘲笑し、パパラッチの対処については大統領はまだアマチュアだと語った。

「ミックと8年間付き合って、世界中を旅したけど、一度も撮られなかったわ。その時の私の気分で、彼にひげを付けたりして変装させたのよ」

 するとサルコジ大統領は、ライバルのロックスターに嫉妬したのか、「あんなおかしな針金のような足を持った男と、よく8年間も付き合えたな」と言い返したという。

 その後、夜も更けた頃、大統領はクリスマス休暇をエジプトで一緒に過ごそうとカーラ夫人を誘った。セグエラ氏によれば、カーラ夫人はこの申し出をそのときは断ったという。しかし実際には、エジプトには2人で行っている。

 カーラ夫人は大統領と別れたあと、セグエラ氏に電話をかけた。

「あなたの友人は、魅力も知性も注意力も力も色っぽさもお持ちね。でもちょっとごう慢だわ。電話番号を渡したけど、まだかけてこないのよ」このとき、2人が別れてからまだ10分しか経っていなかった。(c)AFP/Dave Clark